小委員会の検討状況
 

【 地域内分権検討小委員会 資料 】

 

 地域自治組織について

 

新市における地域自治の強化や行政と住民との協働等を推進するため、合併関連三法(地方自治法の一部改正、現行の合併特例法の改正、新しい合併特例法)において、地域自治組織の制度が創立されました。地域自治組織とは、「住民の意向を反映する機能」「行政と住民等との協働による地域づくりの場としての機能」「従来の支所・出張所機能」の3機能を備えた組織です。
地域自治組織の形態としては、「一般制度による地域自治区」「合併特例による地域自治区」「合併特例区」の3種類があります。

 
 

 地域自治組織の概要

 
  地域自治区 合併特例区
一般制度合併特例
趣 旨 住民自治の充実と、地域住民の意見を反映させつつ事務を処理する観点から、市町村の一定の区域を単位とする「区」を設置 住民自治の充実と、合併に対する住民不安の解消のため、旧市町村単位で一定の期間設置(一般制度の特例) 合併に際し、旧市町村が果たしてきた役割を踏まえた経過措置として、旧市町村単位で法人格を有する「区」を一定期間設置
設置期間 期間なし 一定の期間 5年以内
設置期間
終了後
解散
(全域に一般制度を導入した場合は、一般制度による地域自治区へ移行できる)
解散
(全域に一般制度を導入した場合は、地域自治区へ移行できる)
根拠法令 地方自治法 合併特例法、合併新法 合併特例法、合併新法
区 域 市町村が定める区域
(全域に設置)
1又は2以上の旧市町村の区域を単位
(一部でも設置可)
1又は2以上の旧市町村の区域を単位
(一部でも設置可)
法人格
(特別地方公共団体)
機 能 市町村の一部として仕事を受け持ち、地域住民の意見を反映させ、かつ、連携しながら処理する。 法令により義務づけられていない市町村事務のうち、地域自治組織の区域にかかる事務で、規約に定めるものを処理






【長】
・事務所長を置く。
・事務所長は事務吏員をもって充てる。(市町村長が任命)
【職員】
・市町村の職員を置く。
【長】
・事務所長に代えて区長(特別職)とすることが可能(任期2年以内で規約で定める期間)
・区長は市町村長が識見を有する者から選任(他の職との兼任はできない)
【職員】
・市町村の職員を置く。
【長】
・区長を置く。(任期2年以内で規約で定める期間)
・区長(特別職)は市町村長の被選挙権を有する者から市町村長が選任(助役又は支所長と兼任可能)
【職員】
・市町村の職員のうちから、区長が任命する。



【地域協議会】
・構成員は区内に住所を有する者から市町村長が選任
・構成員の任期は4年以内で条例で定める期間
・構成員には報酬を支給しないことができる。
・会長、副会長を置く。(任期は構成員の任期)
・定数、組織、運営方法は条例で定める。
【合併特例区協議会】
・構成員は区内に住所を有し、市町村議会議員の被選挙権を有す者から規約により市町村長が選任
・構成員の任期は2年以内で規約で定める期間
・構成員には報酬を支給しないことができる。
・会長、副会長を置く。
・定数、組織、運営方法は規約で定める。
市町村長
との関係
市町村長は、地域自治区の区域に係る施策の重要事項について、あらかじめ地域協議会の意見を聞かなければならない。 市町村長は、合併特例区の区域に係る重要事項について、あらかじめ合併特例区協議会の意見を聞かなければならない。
その他 住居表示に地域自治区の名称を冠する。 住居表示に合併特例区の名称を冠する。
 

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 行政組織について

 

市町村合併によって地域自治組織を設置する場合、支所には地域住民や地域団体のまちづくりの拠点としての更なる役割が期待されます。そのため、支所等の事務所の設置については、住民の利便性や行政効率と同時に、地域自治組織のあり方や方向性についても合わせて考えていく必要があります。
事務所の設置方式としては「本庁方式」、「分庁方式」、「総合支所方式」の3パターンがあります。

 
1
本 庁 方 式
組織機構を本庁に集約し、支所は主に窓口的な業務を行う方式
 
長所
・人員削減、事務の効率化を図ることができる。
・新市の一体的な行政運営が確保しやすい。
短所
・周辺地域にとっては「役所が遠くなった」という感覚がある。
・周辺地域への応急サービスが遅滞するおそれがある。
2
分 庁 方 式
各支所に本庁の部局を分散して置き、窓口業務も併せて行う方式
 
長所
・本庁舎に全部局が入りきれない場合、本庁舎の増築等を避け、
 合併前の庁舎の有効活用を図ることができる。
・本庁機能の分散により、地域特性に対応することができる。
短所
・部課の分散により住民が戸惑う可能性がある。
・総合的な行政執行・管理に支障が生ずるおそれがある。
3
総 合 支 所 方 式
管理部門を除き、支所に一定の権限を持たせ、合併前の行政機能をできるだけ残す方式
 
長所
・合併前の状況からの変化が少なく、円滑に移行できる。
短所
・比較的多くの職員を必要とし、事務効率化も図りにくい。
・新市の一体感が醸成されにくい。
 

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 地域自治組織関連法令 (抜粋)

 

 【一般制度による地域自治区の設置について】

 
 地方自治法の一部を改正する法律 (改正地方自治法)
 

第202条の4 市町村は、市町村長の権限に属する事務を分掌させ、及び地域の住民の意見を反映させつつこれを処理させるため、条例で、その区域を分けて定める区域ごとに地域自治区を設けることができる。
2 地域自治区に事務所を置くものとし、事務所の位置、名称及び所管区域は、条例で定める。
3 地域自治区の事務所の長は、事務吏員をもって充てる。

(第4項は省略)

 Point 
 
市町村の全域をいくつかの区域に分けて、その全てに地域自治区を設ける必要があります。ある区域は設けて、ある区域は設けないということはできません。全域に設ける必要はありますが、地域自治区を設置する環境が整った地域から、段階的に設置することは可能です。
 

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 【合併特例による地域自治区の設置について】

 
 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律 
(改正現行合併特例法)
 

第5条の5 市町村の合併に際しては、地方自治法第202条の4第1項の規定にかかわらず、合併関係市町村の協議で定める期間に限り、合併市町村の区域の一部の地域に、1又は2以上の合併関係市町村であった区域をその区域とする同項に規定する地域自治区を設けることができる。
2 市町村の合併に際し、合併市町村の区域の全部又は一部の区域に、合併市町村の区域による地域自治区を設ける場合においては、地方自治法第202条の4から第202条の8までの規定により条例で定めるものとされている事項については、合併関係市町村の協議により定めるものとする。
3 前2項の協議については、合併関係市町村の議会の議決を経るものとし、その協議が成立したときは、合併関係市町村は直ちにその内容を告示しなければならない。
4 合併市町村は、第1項及び第2項の協議により定められた事項を変更しようとするときは、条例でこれを定めなければならない。

 
 Point 
 
合併に際して設置するものであり、合併後2〜3年経ってから条例で設置するということはできません。設置期間については、法律上の上限はありません。合併後に期間を変更したり、途中で解散することも、条例を変更すれば可能です。
 

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 【合併特例区について】

 
 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律
(改正現行合併特例法)
 

第5条の8 合併市町村において市町村の合併後の一定期間、合併関係市町村の区域であった地域の住民の意見を反映しつつその地域を単位として一定の事務を処理することにより、当該事務の効果的な処理又は当該地域の住民の生活の利便性の向上等が図られ、もって合併市町村の一体性の円滑な確立に資すると認めるときは、合併市町村の協議により、期間を定めて、合併関係市町村の区域の全部又は一部の区域に、1又は2以上の合併関係市町村であった区域をその区域として、合併特例区を設けることができる。
2 前項の協議については、合併関係市町村の議会の議決を経なければならない。
第5条の9 合併特例区は、地方自治法第1条の3第1項の特別地方公共団体とする。

 
 Point 
 
法律上の上限は5年間です。(第5条の13第2項)
 

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 【地域協議会の権限について】

 
 地方自治法の一部を改正する法律 (改正地方自治法)
 

第202条の7 地域協議会は、次に掲げる事項のうち、市町村長その他の市町村の機関により諮問されたもの又は必要と認めるものについて、審議し、市町村長その他の市町村の機関に意見を述べることができる。
(1) 地域自治区の事務所が所掌する事務に関する事項
(2) 前号に掲げるもののほか、市町村が処理する地域自治区の区域に係る事務に関する事項
(3) 市町村の事務処理に当たっての地域自治区の区域内に住所を有する者との連携の強化に関する事項
2 市町村長は、条例で定める市町村の施策に関する重要事項であって地域自治区の区域に係るものを決定し、又は変更しようとする場合においては、あらかじめ、地域協議会の意見を聴かなければならない。
3 市町村長その他の市町村の機関は、前2項の意見を勘案し、必要があると認めるときは、適切な措置を講じなければならない。

 
 例 示 
 
1の(1)〜(3)について
 ・地域福祉(学童保育、福祉ボランティア活動支援 等)
 ・地域内の環境保全(リサイクル、清掃 等)
 ・地域内道路・施設の管理
 ・地域防災、地域防火、地域防犯
 ・住民に身近な事務所としての窓口業務(戸籍、住民基本台帳 等)
 ・まちづくり計画作成に当たっての住民の参加システム

2の必須的諮問事項について
 ・区域内の公の施設の設置及び廃止
 ・区域内の公の施設の管理のあり方
 ・市町村が策定する基本構想等のうち、その区域に係る重要事項
 

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 【合併特例区協議会の権限について】

 
 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律 
(改正現行合併特例法)
 
第5条の20 合併特例区協議会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、合併特例区が処理する事務及び地域振興等に関する施策の実施その他の合併市町村が処理する事務であつて当該合併特例区の区域に係るものに関し、合併市町村の長その他の機関若しくは合併特例区の長により諮問された事項又は必要と認める事項について、審議し、合併市町村の長その他の機関又は合併特例区の長に意見を述べることができる。
2 合併市町村の長は、規約で定める合併市町村の施策に関する重要事項であつて合併特例区の区域に係るものを決定し、又は変更しようとする場合においては、あらかじめ、合併特例区協議会の意見を聴かなければならない。
3 合併市町村の長その他の機関又は合併特例区の長は、前二項の意見を勘案し、必要があると認めるときは、適切な措置を講じなければならない。
4 この法律又はこれに基づく政令に定めるものを除くほか、合併特例区は、合併特例区の長と合併特例区協議会との協議により、合併特例区に関する事項につき合併特例区協議会の同意を要するものを定めることができる。

 

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