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井月編纂句集の紹介

ページID:787876057

更新日:2019年4月1日

越後獅子(文久3年【1863年】刊行)

 300句を超える俳諧と井月とその俳友による連句が収められている。また、高遠藩の家老の岡村菊叟(おかむらきくそう・鶯老人)が書いた越後獅子の序文には、井月が自身の出自について「こしの長岡の産なり」と答えたと書かれている。
巻末句(井月作品)は
時鳥旅なれ衣脱ぐ日かな(ほととぎすたびなれごろもぬぐひかな)

が収められており、井月が夏まで延々と続けてきた放浪の旅を一旦終えようとしていることが読み取れる。

家づと集(元治元年【1864年】刊行)

 500句を超える作品が信州の地域ごとに編集されており、この句集でも連句が7句収められいる。

巻末句(井月作品)に
ちりそめてから盛なりはぎの花(ちりそめてからさかりなりはぎのはな)
が収められており、秋の情景を萩の花に込めて、咲く花だけでなく、散る花びら、根本で絨毯のようになった花びらを見て、いくばくかの寂寥感と共にこの句を詠む井月が目に浮かぶ。

余波の水くき(明治18年【1885年】)

井月が没する2年前に刊行される。
句集名にある「水くき」は筆の暗喩。「余波(なごり)」という表現からは、井月自身の老いや時流の移り変わりを感じさせる。
一方で、馬場学之丞(呉竹園凌冬)の書いた序文には「永世不朽の交わりを期せんとの志なん」とあるから、この句集を編纂することで俳句仲間との交流の証を後世へ残したいという思いがあったと考えられる。

巻末句(井月作品)に

落栗の座を定めるや窪溜まり(おちぐりのざをさだめるやくぼだまり)

が収められている。
この句は、井月が太田窪(現・伊那市美篶)の塩原家の養子となったときに、放浪していた自分自身を栗にたとえて詠んだという。

  • 越後獅子・家づと集・余波の水くきは、現在上伊那教育会が所有しております。現物を確認したい場合等は上伊那教育会郷土館部へお問い合わせください。
  • 井月編纂句集のうち、越後獅子と家づと集の電子データについては、抜粋をページ下部にリンクしてあります。全データについては、伊那図書館で閲覧することが可能です。詳しくは伊那図書館へお問い合わせください。
  • 井月句集の解説本が一般社団法人井上井月顕彰会から出版されております。内容・入手方法等、詳しくは同会へお問い合わせください。


余波の水くき、序文と挿絵

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お問い合わせ

伊那市役所 文化スポーツ部 文化交流課 文化交流係

電話:0265-78-4111(内線2742)

ファクス:0265-74-1250

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