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平成30年3月市議会定例会あいさつ

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更新日:2018年2月26日

平成30年3月市議会定例会あいさつ

平成30年3月伊那市議会定例会の開催をお願いいたしましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜り誠にありがとうございます。議会開会に当たりまして、ごあいさつを申し上げます。
今年の冬は、例年に比べ寒さの厳しい日々が続いていましたが、二十四節気の「雨水」を過ぎまして、日増しに暖かい日差しを感じられるようになってまいりました。

昨年末には、伊那市議会の総意として、今後10年間に向けた地域づくりを推進するための「地域振興に向けての提言」をいただきました。合併から10年が過ぎ、本市を取り巻く環境は、合併時には予測できなったスピードでめまぐるしく変化をしております。このような社会情勢のもと、自治体のあり方も常に変化することが求められております。議会と執行機関は、市民福祉の向上、地域振興・活性化という目標を同じくするもので、共に市政推進の両輪となり、建設的な議論を通して、伊那市自らの発想で、時代の潮流を的確に捉えた施策を構築しなくてはならないと考えております。頂戴いたしました、総合支所組織や小規模保育園のあり方、移住定住の促進、道路維持補修等々のご提言につきましては、真摯に受け止め今後の市政運営に活かしてまいりたいと考えております。

今月10日から15日まで、道の駅「南アルプスむら長谷」を拠点とする、公道での自動運転サービスの実証実験が行われました。10日の開始式においては、国会議員の皆様や、黒河内議長をはじめ市議会議員の皆様、さらには国土交通省などの関係機関、地域住民、報道機関など、大変多くの皆様にご試乗をいただく中で、非常に大きな期待感をもって一大プロジェクトがスタートいたしました。伊那市は、全国に先立ちIoTやAIなど新たなテクノロジーを地域課題の解決に活かす取組を進めておりますが、とりわけ、この自動運転の技術は、中山間地域における交通弱者や買物弱者の移動手段として、さらには9年後の平成39年に開業が予定されているリニア中央新幹線の2次交通、あるいは3次交通として魅力ある有効な手段となるものと考えております。自動車の自動運転やドローンによる物流、IOTやAIを活用したスマート農業、スマート林業、ICT教育などの新産業技術が日々急速に進歩をしています。今後も、全国の自治体の範となるよう新産業技術の実用化及び社会実装に向けスピードを緩めることなく、更なる実践的な取組を図ってまいります。

また、先月27日には、公益財団法人安藤スポーツ・食文化振興財団主催(日清食品の関係団体)による第16回トム・ソーヤースクール企画コンテストで、長谷中学校3年生が最高賞の「文部科学大臣賞」を受賞しました。「内藤とうがらし」で地域を元気にしようというプロジェクト「中学生にできる地域おこし~伝統野菜でふるさと長谷をホットに」が高く評価されました。次世代を担う若い中学生の皆さんが、地域を思い、地域で積極的に活動してもらえることは大変頼もしく思うところであり、今後の活動にも期待しているところであります。

さて、最近の全国の経済情勢でございますが、財務省が発表した「全国財務局管内経済情勢報告」によりますと、個人消費は好調または堅調に推移しているとともに、雇用情勢も有効求人倍率が高水準で推移するなど、全体的には引き続き回復している状況となっております。また、長野県の経済情勢は、平成29年10月期の「緩やかに回復しつつある」から、本年1月期は「回復しつつある」に変更されており、また、上伊那地区においては、昨年12月の有効求人倍率が1.97倍と、長野県の平均有効求人倍率である1.74倍を上回り、引き続き堅調に推移していることから、地域経済には明るい兆候が見られます。
一方では、景気の拡大期間が、戦後第2位の「いざなぎ景気」を超えたといわれると同時に「実感なき景気の拡大」ともいわれ、特に地方経済においては、その実感が乏しいのが実状です。さらに、地方においては、若年層を中心とした人材不足が景気の底上げを阻む大きな課題となっているなど、均衡ある景気の拡大を期待するところでございます。

それでは、平成30年度の市政運営の取組についてご説明申しあげます。
【伊那市の財政状況】
はじめに、市の財政状況について申し上げます。
市長就任以来、わたくしが市政の最重要課題にあげております財政の健全化でありますが、市町村の財政状況を端的に表すものとされる「実質公債費比率」は、合併初年の平成18年度時に「20.8」であったものが、平成28年度10年度には「9.9」に、また「将来負担比率」については、数値の算出を始めた平成19年度に「197.3」であったものが、平成28年度には、初めて「数値なし」となり、ともに大きく改善しました。しかし、合併後10年が経過し、普通交付税の合併による優遇措置が段階的に無くなっていること、また、平成32年度には合併特例事業債の発行期限も迎えます。合わせて、高度成長期やバブル経済時に整備した公共施設が、今後一斉に更新の時期を迎えるため、施設の統廃合や長寿命化などにも取り組んでいく必要があります。
このように限られた財源で、必要な事業を遅滞なく実施していくためにも、引き続き、一層の行政改革、事務事業の見直し等に取り組んでいかなければなりません。そのような中でも、昨年度から取り組んでまいりました新産業技術の推進は、一部に実用化の動きが出始めており、リニア新時代を迎えるINAValleyの中核都市から「日本を支える地方都市のモデル」を発信するため、今後さらに取組を継続・発展させていく必要があると考えております。

【平成30年度の予算編成について】
次に、平成30年度の予算編成ついてご説明申し上げます。
平成30年度当初予算は、本年4月29日に市長任期を迎えることから、義務的な経費や継続事業を中心とした骨格予算の編成といたしました。ただし、市政の停滞を招くことのないよう、市民生活に直接関わる喫緊の課題に対応するために必要となる経費等については、最大限配慮した編成を行っております。また、投資的経費、政策的経費の一部につきましては、計上を見送っておりますが、特に市民要望の高い生活道路や水路の改修事業などを今後実施できるよう財源を確保しているところでございます。
平成30年度当初予算における具体的な取組事項は、市独自の保育料の更なる負担軽減や保育環境の整備などによる「日本一子育てしやすいまちの実現」、キャリアフェスの開催や小規模特認校への教育コーディネーターの配置などによる「次代を担う優れた人材の育成」、国民健康保険税の税率据置きや土地改良事業の地元負担金の減額、使用料の値上げ抑制ため下水道事業会計への出資、などによる「市民負担の軽減」、防犯灯・公共施設のLED化や再生可能エネルギーの活用促進などによる「低炭素社会の実現に向けた取組」、移住体験ツアーの実施や空き家バンク登録促進補助金等の拡充などによる「人口増の取組拡大」、国庫補助等を活用した農業環境の整備や農業機械の導入支援などによる「農業の振興」、公共施設等へのペレットストーブ・ボイラーの設置や森林整備などによる「50年の森林ビジョンの着実な推進」、企業誘致や既存企業への支援などによる「産業の活性化」、ローズガーデンの整備や旧中村家の活用などによる「観光の振興」などでございます。
地方創生につきましては、リニア中央新幹線や三遠南信自動車道の開通による広域的な展開を見据え、「日本を支える地方創生のモデル都市」を目指し、国の地方創生推進交付金を有効に活用して、INAValleyを実証フィールドとする新産業技術推進事業、ソーシャルフォレストリー都市創造促進事業、「信州そば発祥の地伊那」ブランド力向上事業、空飛ぶデリバリーサービス構築事業に引き続き取り組んでまいります。
また、環状南線、新ごみ中間処理施設などの伊那市の礎となる社会基盤整備を着実に行うとともに、高遠保育園や給食施設の整備など、将来を見据えた計画的な施設整備を進めてまいります。そして、これらの施策を継続的に安定して実施するため、市債残高の縮減や施設の統廃合等、引き続き財政の健全化に努めてまいります。

【予算規模について】
次に、平成30年度の予算規模について申し上げます。
平成30年度の予算規模は、一般会計が327億1,900万円で、前年度の当初予算との比較では7億8,500万円、2.3パーセントの減少であります。また、特別会計・企業会計を合わせますと、全会計で557億1,470万円となり、前年度との対比では、27億5,070万円、4.7パーセントの減少となりました。これは、国民健康保険の広域化に伴い国保会計の予算規模が縮小したほか、昨年度は、公有財産管理活用事業特別会計を新設したため、一時的に予算額が膨らんでいたものが、例年並みに戻ったことなどが主な要因であります。

【歳入について】
次に、一般会計の歳入のうち主なものについて申し上げます。
まず、市税は、全体では前年度比2.7パーセントの増加となりました。市税の内訳では、経済情勢の回復により個人・法人市民税は増加を、固定資産税は、地価の下落傾向は続いておりますが、償却資産の伸びにより若干の増加を見込んでおります。地方消費税交付金や自動車取得税交付金など、国からの交付金については、29年度の決算見込みから、相当程度の増加を見込んでおりますが、地方交付税は、合併による優遇措置の縮減や、全国ベースでの地方交付税の減少などから、昨年度当初予算との比較で4.6パーセント、約4億5,000万円減少する見込みとしております。国庫支出金では、臨時福祉給付金の減少などにより4.6パーセントの減少、逆に、県支出金は「強い農業づくり交付金」や「産地パワーアップ事業補助金」の増加により、13.2パーセントの増加を見込んでいます。なお、寄附金は、ふるさと寄附金が主なものでございますが、平成29年度とほぼ同額を見込んでおります。
次に、繰入金ですが、昨年度は公有財産特別会計設置のための繰入れや、西箕輪診療所建設補助のための繰入れがあったこと、また、ふるさと納税に対する返礼品の返礼率を平成29年度中途から見直したことに伴い、ふるさと応援基金からの繰入れが減少したことなどから、33.6パーセントの減少となります。また、市債のうち、臨時財政対策債については、地方交付税の算出に連動して、全国的に減少しているものでございます。

【歳出について】
次に、一般会計の歳出におきまして、特徴的な内容について申し上げます。
はじめに、「日本一子育てのしやすいまち」を目指す子育て支援では、県下最低水準の保育料を目指し、従来の保育料軽減策をさらに拡充します。また、保育園の開園時間の充実や、本年2月に伊那中央病院に開設した保育施設において病児保育にも取り組んでまいります。高遠保育園については、園舎の建設がはじまり平成30年度中の完成を予定しております。
次に、学校教育関係では、市内の全中学2年生を対象とするキャリアフェスを伊那市民体育館で開催するほか、伊那西小学校の小規模特認校指定や中学校部活指導員の任用、さらに、引き続き小中学校の体育館の非構造部材耐震化、給食施設改築工事などを実施してまいります。
次に、高齢者をはじめ市民の暮らしをサポートする事業としては、国民健康保険の税率を現行同様に据え置くため、一般会計からの法定外繰出しを行います。医療費の負担軽減では、子ども医療費の窓口での支払額の上限を、平成30年度8月診療分から、最高で500円とします。また、産後ケア事業の公費負担割合を5割から7割に増額するとともに利用可能期間も拡大します。
地域における福祉活動を推進するため、社会福祉協議会の地域福祉コーディネーターの配置に対して補助します。また、伊那市消費生活センターを中心に、特殊詐欺などの被害防止のため消費者保護対策に取り組みます。
次に、産業の活性化分野では、ドローンを活用した事業として、荷物配送システムの実用化に向けた「空飛ぶデリバリーサービスの構築」や「松くい虫被害木の発見」、「地域課題解決型ハッカソンの開催」など新産業技術の活用を推進する取組のほか、「サテライトオフィス」の運営を行い、情報ビジネス関連企業等の誘致を図ってまいります。
次に、低炭素社会の実現に向けた施策では、ソーシャルフォレストリー都市の創造を目指し、木質バイオマスの更なる活用を推進するため、ペレットボイラー・ストーブ設置に対する補助、市内公共施設へのペレットボイラー・ストーブの設置を行うほか、50年の森林ビジョン応援事業を実施する「ミドリナ委員会」に対する交付金を交付いたします。
次に、農業分野では、市単土地改良事業における地元負担金の割合を、30パーセントから20パーセントに減額するほか、新産業技術を活用したスマート農業の推進、「信州そば発祥の地伊那」のブランド力向上のため、そば育成技術、商品化の研究などに取り組みます。また、いわゆるトンネル補助でございますが、「強い農業づくり交付金」や「産地パワーアップ事業補助金」を各事業者に交付いたします。
次に、観光分野では、「信州そば発祥の地伊那」をアピールする「5週連続ぶっとおしそば三昧」の開催、山岳高原観光推進のための山岳観光専門員の雇用、高遠町の「旧中村家住宅」を活用した誘客事業、ローズガーデン第4期整備工事などを実施いたします。
次に、歴史や文化・体育の分野では、春の高校伊那駅伝(男子42回、女子35回)の開催、第32回伊澤修二記念音楽祭開催のほか、「高遠石工」映像記録・情報発信や、平成30年度から3か年の継続事業として、信州高遠美術館の収蔵庫の整備を開始いたします。
次に、安心・安全なまちづくりの分野では、「防災コミュニティセンター」の建設と運営管理や、消防団の被服の整備、消防団再編に基づく詰所の建設などを行い、コンビニエンスストアへのAEDの配備も、上伊那全体で行います。
また、9月2日には、西箕輪中学校を主会場に、伊那市総合防災訓練を開催いたします。
その他、新たな伊那市の総合計画となる第二次総合計画の策定、空き家バンク登録促進補助金の拡充による人口増の取組、小黒川スマートインターチェンジの出入り口付近や高遠町公共施設などの誘導看板を「三風モデル」で整備する取組、新ごみ中間処理施設が平成30年度末に稼働するのにあわせて「ごみと資源の分け方・出し方」の周知などを実施いたします。
ハード事業関係では、これまで申し上げた事業のほか、上伊那広域連合が実施する新ごみ中間処理施設建設事業の負担金支出のほか、環状南線の整備、保育園へのエアコン設置、みはらしファーム内の環境整備、高遠城址公園の通路舗装工事のほか、道路維持、一般道路改良、舗装改良、道路防災事業といった土木事業を実施いたします。
イベント事業では、先ほども触れた「春の高校伊那駅伝」、「5週連続ぶっとおしそば三昧」、「全中学2年生を対象としたキャリアフェス」などのほか、第61回「伊那まつり」等の開催を予定しております。
なお、平成30年度は、市長選挙、市議会議員選挙のほか、県知事選挙の執行、県議会議員選挙の準備等も予定しております。

以上、平成30年度の予算及び特徴的な事業等につきましてご説明をいたしました。
平成30年度も市民の皆様と共に、伊那市の未来をしっかりと見据え、着実に歩みを進めるとともに、未来を生きる世代が安心して暮らせるしっかりとした礎を築き、市民が伊那市に誇りと夢と希望を持って「伊那に生きる。ここに暮らし続ける。」決心を具現化するため、全庁あげて取り組んでまいります。

本定例会に提出いたします議案は、条例案件25件、人事案件1件、一般案件5件、予算案件19件の合計50件でございます。詳細につきましては、担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご議決賜りますようお願い申し上げまして、あいさつとさせていただきます。

お問い合わせ

伊那市役所 総務部 秘書広報課

電話:0265-78-4111(内線2133)

ファクス:0265-74-1250

メールアドレス:his@inacity.jp

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