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灯篭まつりの夢

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更新日:2014年10月1日

 今年も伝統の灯篭まつりが終わりました。ほうずき提灯と二胡や三味線、笛の調べは、秋風の吹き始める高遠の夜にふさわしい風情あふれる祭典です。
私はこの灯篭まつりが好きで、ほとんど毎年参加して高遠の仲間と楽しんでいます。
 虫の音と秋風のなかで地元のお酒を飲みながら、遠くから聞こえてくる調べに高遠らしい風景を感じるまつりは、さくらに続く高遠の次なる観光の核になると思います。
 まつり当日は七輪でさんまを焼きながら酒屋さんの前で飲むこともあります。互いに一品料理を持ち寄って楽しむこともあります。あるいは商店街のきれいな女将さんたちの和服姿に目を奪われながらほろ酔いかげんで談笑するときもあります。
ところが、あれほど素敵なおまつりなのに観光客がいません。ほうずき提灯のならぶ通りを歩く人影はまばらです。そこでおまつりを見る人のいない寂しさをなんとかしなければならないと、十年ほどまえから高遠の仲間と「灯篭まつりをたのしむ会」と称する会を立ち上げました。饅頭屋さん・靴屋さん・お茶屋さん・酒屋さん・時計屋さん・サラリーマン・公務員など年々仲間は増えています。時間はかかると思います。でも富山県八尾の「越中おはら風のぼん」にまさるとも劣らない風情の灯篭まつりは、仕掛けの仕方で全国区になれるおまつりのはずです。工夫しだい、仕掛けの仕方しだいで大きな可能性を持っています。信州の山間にある静かな高遠の城下町、虫が鳴き秋の風が渡るころ、赤いほうずき提灯の向こうから、ゆっくりとした調べが聞こえてきて、それが次第に近づいてくる。いいじゃありませんか。信州・秋・城下町・伝統・郷愁の文字が輻湊します。
 高遠はさくらの町としてつとに知られています。日本三大さくらの名所として、あるいは夜桜日本一の高遠城址公園のさくらとして、シーズンには大変な人で賑わいます。しかしここ数年さくらを愛でるスタイル、観光の流れは変わってきました。インターネットの普及によってピンポイントでの開花情報が得られるために一時期に集中したり、旅行の志向の変化によって団体客が減り、かつてのような花見の賑わいは望めません。将来も期待はできないかもしれません。高遠の魅力はあまたあるのに、世間からはさくらだけに依存しているかのような誤解を受けがちです。神社仏閣、古刹もたくさんあります。古い町並みも魅力です。遠照寺のボタン・伸和の丘ローズガーデンのバラ・月蔵山のヤマザクラ・入笠山のコナシやスズラン・花の丘公園・弘妙寺のイワヤマツツジなど、花ひとつとっても数多くあります。さくらを核とした観光から、次なる観光の姿が待望されます。そこで通年観光が提唱されるようになりました。これも随分前から叫ばれていますが、まだそのシステムの確立はされていません。どうしたらいいのか?私は考えました。「さくらの高遠」から「さくらのブランドをつかって集客する高遠」にする。つまり高遠のさくらは全国津々浦々に知れ渡っています。「さくらと言えば高遠」、なのですが、それを「高遠といえば、さくらもあるけれどお祭りも、花も、古い文化財も・・・」と。つまり高遠の名前はさくらによって確立しているのですから、その知名度、認知度を利用した観光振興を展開するわけです。さくらの時季には黙っていても三十万人の観光客が訪れます。こうしたお客様に高遠の次の情報、例えば花の丘公園の八重桜や、遠照寺のボタン、伸和の丘ローズガーデンのバラなどの花の情報、伊那谷のイベント情報、あるいは信州の味覚情報などを持ち帰っていただくような工夫ができればよいわけです。さらには伊那市全体としてのみはらしファーム、南アルプス登山バス、日本ジオパーク、かんてんぱぱガーデンなどの情報も含まれればなおよいと思います。まだまだあります。高遠のもみじまつり、だるま市、白山神社のやきもち踊り、羽広仲仙寺の獅子舞、新しいところでは、分杭峠のパワースポットや文化の香り高い高遠ブックフェスティバルも注目されています。
 それから何よりも大切なのは「食」です。地域ブランドの「食べもの」の発信です。観光客の目的、楽しみに食べものがあります。「あそこに行ったら○○を食べたい」、「どこそこの○○がおいしくて有名だ」と言った風に、私たちが旅行に出かけても同じように食べものは楽しみの一つです。信州に行ったらおそばを食べよう。お焼きを食べたい。信州は漬物が美味しいからお土産に買って帰ろう。と、信州はこんなイメージです。いうまでもなく「高遠そば」は第一級の食です。そばの祭りを仕掛けるだけで、数万人の観光客を集めるところは全国に何か所もあります。信州そば発祥の地が高遠ですから、高遠そばを上手に発信すれば、必ず大きなイベントになります。それから「まつたけ」にも注目です。その昔高遠藩では将軍家にマツタケを献上していました。「献上松茸」です。この高遠そばとマツタケと灯篭まつりをセットにした企画を発信するわけです。秋には信州高遠に行って、昼には「高遠そば」を楽しみ、夜には贅沢に「松茸料理」を味わって、灯篭まつりを観ながら一杯楽しむ。こんな贅沢な旅を提供できるのも、「高遠」のブランドがあるからです。「秋は高遠に行こう」いいキャッチコピーだと思いませんか?
 「猪鹿沢の谷をそばの花で真っ白く埋めたら見事だろうね。」と言った人がいました。素敵な信州高遠そばのイメージが発信できると思います。「高遠・長谷・富県・新山などのマツタケ山でマツタケ狩りを仕掛ければ全国から観光客が集まるよ。」といった人もいました。こうしたアイデアはまだまだ湧いてきます。観光の原石がまだまだある高遠町、いかにこれを磨き、光をあてるか、ここに暮らす私たちの知恵と発想、行動、努力しだいです。観光の高遠を中心として、伊那市全体、伊那谷全体を包含した新たな観光の取り組みをしていかなければなりません。そのきっかけが灯篭まつりであれば「夢は叶う」と私は信じています。

「やますそ」 平成22年度 54号掲載 高遠町婦人会・さわやか学級発行

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伊那市役所 総務部 秘書広報課 広報広聴係

電話:0265-78-4111(内線2131 2132)

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メールアドレス:his@inacity.jp

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