『伊那市誌』とは
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更新日:2023年4月10日
『伊那市誌』と聞いても、よくわからないという方が多いと思います。
そもそも『伊那市誌』とは、どんなものでどうやって作るのか。『伊那市誌』の基本情報をご紹介します。
『伊那市誌』に込めた想い
『伊那市誌』とはどんな本
下の写真にある『長野県史』『上伊那郡史復刻版』『伊那市史』『高遠町誌』『長谷村誌』は、「史誌」といわれるジャンルの書籍です。
史誌とは、「ある地域の歴史や自然、文化など人々のくらしに関わる様々な事柄をまとめた書籍」のことをいい、今回新たに作る『伊那市誌』も史誌に含まれます。
では、なぜ史誌の書籍名は「史」と「誌」が使い分けられているのでしょうか。
「史」には「歴史を書いたもの」、「誌」には「記録した文書」という意味があります。(注1)
これまで作られてきた史誌を見ても、『〇〇史』は歴史や文化を中心に、『〇〇誌』は歴史のほか様々な分野に着目し作られているように感じます。
しかし、「史」と「誌」の使い方には決まりがあるわけではありません。作り手の想いによって、使い分けたり当て字を使用したりと様々なのです。
『伊那市史』ではなく『伊那市誌』に
右の写真は、昭和56年から59年にかけて刊行された『伊那市史』です。
この『伊那市史』の製作のきっかけは、当時の伊那市制になるまでの歴史をまとめることにあったようです。
その中で、自然については「歴史が展開される人間生活との係わりの中でとらえる」べきだとし、『伊那市史自然編』を製作しています。(注2)
つまり、『伊那市史』には、「歴史と関わりがないように見える自然を歴史的観点から表現したい」という想いが込められているのです。
新たな『伊那市誌』が発行された後も、伊那市のすがたは変化し続け、発展を遂げていくでしょう。私たちは、未来の伊那市にとって、新たな『伊那市誌』がさらなる発展の手がかりとなることを願っています。
そのためには、「歴史や自然、産業など、あらゆる分野から捉えた今の伊那市のすがたとそれまでのあゆみを記録する」ことが必要であり、また「その記録を未来へつないでいきたい」という想いから『伊那市誌』としました。
引用文献
(注1)金田一春彦編(2002)『学研現代新国語辞典改訂第三版』株式会社学習研究社
(注2)伊那市史編纂委員会編(1981)『伊那市史自然編』伊那市史刊行会
『伊那市誌』の作り方
順 |
作業内容 |
解説 |
---|---|---|
1 |
組織設置 |
伊那市は、「伊那市誌編さん委員会」と「部会」を設置しています。 |
2 |
会議 |
委員会で市誌の内容や体裁、発行までのスケジュールなどを話し合い、部会で項目内容の検討を行います。 |
3 |
資料収集 |
扱う時代や内容にもよりますが、必要となる情報や資料を、時代を追って集め整理します。 |
4 |
調査・研究 |
集めた資料から、調査や研究を行い、根拠のある情報を掲載できるようにします。 |
5 |
原稿執筆 |
調査や研究が終わると、原稿を書き、レイアウトを組み、内容の確認を行います。 |
6 |
印刷・製本 |
内容の確認が終わると印刷と製本が行われ、本屋さんで見かけるような本となります。 |
7 |
発行 |
完成次第、みなさんにいつでも購入していただけるよう発行の準備や手配を進めます。 |
ここでは、『伊那市誌』を作る中で知っていただきたい部分を挙げています。自治体によって作り方に違いがあると思いますが、伊那市ではこのような流れで進めていきます。
作業工程で大切なこと
編さん作業
今回の『伊那市誌』は、約30年前に発行された『伊那市史』『高遠町誌』『長谷村誌』以来の製作となります。
この30年間の出来事は、市内に眠る資料や関係者の声で知るしかありません。資料や当時の声などを集め、それをもとに調査・研究を行い30年間の伊那市のすがたを見出し、伊那市のあゆみを記録します。
また、30年前には正しいとされていたことも、その後の新たな調査・研究成果などがあれば、これまでの書籍や資料の掲載内容にその新しい情報を補足したり一部修正を行ったりする必要があります。
このように、史誌といわれる書籍を作るには、あらゆる場所から資料や当時の声などを集め、これらをもとに調査や研究を行った上で原稿を執筆していくことになります。
資料や当時の声といった様々な材料を集め、それに手を加えながら書籍の内容を作ることを「編さん」と言い、この作業が『伊那市誌』を作るカギとなります。
お問い合わせ
伊那市役所 教育委員会 市誌編さん室
電話:0265-98-0630
ファクス:0265-98-0640
メールアドレス:shishihensan@inacity.jp
