第七回「月一モイmoi」フィンランド 地球にやさしい循環とものづくりを語る会レポート
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更新日:2025年7月8日
森と学びを軸としたフィンランド連携を多様に推進する中、地域のみなさんにフィンランドの魅力を知ってもらい、フィンランドの暮らしを自分の暮らしにも取り入れるきっかけになればとの思いからスタートした「月一モイmoi」。
対話や体験を通して新しいコトを知り、フィンランドを通じて見える、もともと伊那市にある暮らしの豊かさを可視化します。
その第七回となる「フィンランド 地球にやさしい循環とものづくりを語る会」を、伊那市役所1階の市民ホールの一角で行いました。
そばで期日前投票などが行われるなか、人の行き交う明るい日曜日の午前中
アイスコーヒーとちょっとしたお菓子を楽しみながらのひとときでした。
フィンランドの様子を紹介
言葉をかわしながら
フィンランドの社会では、どんなことが大切にされているのだろう?
キーワードは「循環」
5月17日から24日までの間、 フィンランド北カレリア地域との覚書による連携の推進等のため、伊那市からの訪問団がフィンランドへの視察訪問を行いました。
この視察では教育班とビジネス班に分かれ、それぞれの視点で重点的にフィンランドの取り組みについて学びました。
今回のビジネス分野での視察では、「循環」に注目しました。
フィンランドでは、中間廃棄物を活用して新たな商品を生み出す産業がさかんです。
たとえば、キノコ栽培によって出る大量の農業廃棄物を、発酵の力で風味調味料へと変身させる技術をもつ企業があります。
環境にやさしい植物由来の食品が、より広く普及する未来を見すえた研究や商品開発を行っています。
また、建築現場から出た廃材や加工が難しい柳の木の残渣などから、農業に使える炭を製造する企業では
使われなくなったものを生かしてごみを減らす技術を、試行錯誤を通して形にするまでの道のりやその思いに触れました。
目的をぶらさず、できることを考える。
環境のために、本当に意味のあることをしたい。
そんなフィンランドの人々の真剣な思いが、様々な場面で感じられる視察でした。
フィンランドのビジネス現場を訪問
木材を活用する企業
フィンランドの何気ない生活の一場面から
市民ホールは天井が高いので、声が届きづらいかと思いきや
「このお話、もっと聴きたい」という気持ちになれる内容が満載で
前のめりな心を向けて聞いていると
話し手の皆さんがそこまで声を張らずとも不思議と言葉が届いてきます。
別の場所ではそれぞれ別のことが行われているのに平和に共存していて、
通りすがりの人と混ざりあう場面もあり
なんだかフィンランドの図書館みたいな光景でした。
フィンランドの訪問先で体験した
遊び心のあるちょっとしたおもてなし、
「やってみたいな」と自然に思える環境をそっと置いておく場づくりの工夫、
少しのけがや失敗に対する大らかさ
好きなものを好きなだけ取って食べられる食堂のしくみ、
「平等」と「公正」のちがいなど、
何気ない生活の一場面から
静かなやさしさを感じられるエピソードの数々に引き込まれました。
木はどれも美しい。丸ごと使い切ろう
平等と構成のちがい
対話の記録
フィンランドの人々が
環境課題に本気で向き合う姿勢、
本来の目的から目をそらすことなく本質に迫る取り組み、
業界や専門領域の垣根をこえて協力できる理由、
木材を丸ごと使いきる社会の実際のあり方
そして、「数字や結果だけでなく、過程を大切にする」価値観。
わたしたちが仕事や生活の中で何かをしようとするとき、
フィンランドから学んだ仕組みや意識を取り入れることができたら
まちや社会が
わくわくするような方向へと変わっていくのかも知れない、
そんな希望を感じました。
市長も話しました
長野県根羽村で生産されたジャケット。素材は木から生まれた糸
暑い日には冷たいコーヒーが沁みます
フィンランド視察全体報告会・対話の場も行います
こういうお話の場を、細く長く続けていきながら
日本での「当たり前」を改めて見つめなおし、
フィンランドでの学びを、どのように伊那市らしく取り入れるか
みなさんと一緒に考えていけたらと思います。
その一つとして、7月18日(金)18時~20時半に
フィンランド視察全体報告会・対話の場を伊那市役所5階で行います。
参加無料・申込不要・出入り自由で
どなたでも参加できますので、
こちらの会でもお会いできたら嬉しいです。
お問い合わせ
伊那市役所 企画部 地域創造課 地域ブランド推進係
電話:0265-78-4111(内線2155 2252)
ファクス:0265-74-1250
メールアドレス:jkz@inacity.jp
