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立ち直りに寄り添い犯罪や非行のない明るい社会へ

ページID:836672868

更新日:2025年6月25日

7月は「社会を明るくする運動」の強化月間・再犯防止啓発月間です。

「社会を明るくする運動」は、すべての国民が、犯罪や非行の防止と、罪を犯した人の更生について理解を深め、それぞれの立場で協力し、犯罪や非行のない明るい社会を築くための全国的な運動です。

今回は、長野県“社会を明るくする運動”作文コンテストで、見事に小学生の部優秀賞(長野県保護観察協会理事長賞)を受賞されました藤川心埜(ふじかわ しんの)さんの作文をご紹介します。

「友達」と作る「希望」ヘの道

藤川 心埜 高遠小学校 6年(当時)

 ぼくは、アメリカフロリダ州で起こった、とても素敵なニュースを聞いたことがある。
 それは、とある裁判で、裁判官と被告が同級生だったというニュースだった。裁判官は、「あなたはノーチラス中学出身ですか?」と問いかけ、被告は裁判官が同級生だと知り号泣した。ぼくは、「こんなのドラマでしかないよね。」としか思わず、あまり関心をもたなかった。だが、ぼくはこれが本当に起こったノンフィクションだったことを知る。そして、このニュースの追記でこのようなことが書かれていた。「裁判官は被告に、『次からは法を守って生きてください』と話し、それに対して被告は、『もう一度チャンスがほしい』と言った。刑期が終わった後、裁判官は被告を出迎えに行き、今は被告も更生している。」これを読んで思った。その裁判所で起こったのは、どんなドラマよりも、本当のドラマだった。たった1人の友達が、被告の「希望」を作った。友達が作る「希望」。この言葉に、ぼくも思いあたるものがあった。
 ある日、ぼくが先生におこられて落ちこんでいる時に、友達が来て、「ちょ、見てみて。」と言いながらおしりをつき出して口でオナラの音を真似してみせた。ぼくはその時笑ってしまって、おこられた時の悲しみが全部なくなったような気がした。友達のおかげですぐ立ち直れる、「希望への近道」がぼくの道につくられた。
 この時、ぼくはあることに気づいた。それは、一人一人作ってくれる道がちがうことだった。ぼくが悲しい時、失敗した時、いつも周りにはなぐさめてくれる人がいるけど、例えば、さっきの友達だったら笑わせて道をつくってくれる。だが、勉強ができる真面目な友達は、「次のチャンスがあるよ。」と、ぼくにまだ終わりじゃないことを教えてくれる。少しやんちゃな友達は、ぼくがしかられたりした時は、「アイツ強がってんだよ。」とかの悪口を言ってくれる。悪口がダメなことはわかっているけど、結構たすかっている。少しおっとりしている優しい友達は、「ぼくもこういうことあるし。」と、自分を下げるような言葉をつかってくれるけど、「そこまで気をつかわなくていいよ。」と心の中で思う。
 こんな感じで一人一人の道はちがうことがわかった。だけど、みんながぼくにとても素敵な道を作ってくれているのに対して、ぼくは作れているのだろうか。
 ぼくは道について考えた。どんな道がいいのかとか、自分にはどんな道の作り方が合うのかとかを、色々考えていった。でも、どの道の作り方もぼくの性格にあわない気がして、「結局ぼくは道を作れないのか。」と思った。
 だけど、あの勉強ができて真面目な友達が言っていたように、次のチャンスがあると思って、その日の研究はおわった。ある日、研究をするチャンスが訪れた。その日も毎回のようにみんなが一人をなぐさめている。ぼくも同じようになぐさめている時、ようやくぼくの「道」の作り方がわかったんだ。
 ぼくの作り方は、「作る」のではなくて、「広げる」道の作り方だった。他の友達が新しい道を作ってくれているあいだ、ぼくやぼくと同じように道を広げる人たちは、道を作る人に「共感」するんだ。「そうだよ。」とか、「確かに。」と言って、通れる道を広げる人だ。みんなが協力して道を作って「希望」へ導く。そんなことがあたり前にできるみんなは本当にすごいと思った。
 「道」を作ることも大切で、「道」を広げることも大切。これが、ぼくたちなりの、友達と「創る」希望への道だ。

現在、高遠中学校に通う藤川さんのコメント

藤川さんの写真


コンテストの優秀賞受賞にはびっくりしました。作文を書いたのは「友達」のことをいろいろと考えていたときでした。ニュースと関係した動画をみて「すごいな」と感じたこともきっかけになりました。

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電話:0265-78-4111(内線2131 2132)

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