第八回「月一モイmoi」涼やかな夏の森で思い思いに楽しもう レポート
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更新日:2025年8月4日
森と学びを軸としたフィンランド連携を多様に推進する中、地域のみなさんにフィンランドの魅力を知ってもらい、フィンランドの暮らしを自分の暮らしにも取り入れるきっかけになればとの思いからスタートした「月一モイmoi」。
対話や体験を通して新しいコトを知り、フィンランドを通じて見える、もともと伊那市にある暮らしの豊かさを可視化します。
その第八回となる「涼やかな夏の森で思い思いに楽しもう」を、市民の森で行いました。
伊那のまちが人であふれたにぎやかな伊那まつりの翌日、子どもから大人まで20人近くの人が集まり、思い思いにゆっくりと過ごしました。
夏の日差しがさんさんと
カブトムシ発見
常盤みのりさん(伊那市地域おこし協力隊 森の学びコーディネーター)×月1モイmoi
フィンランドの人々にとっての森
フィンランドの人々は、大人も子どもも森で過ごす時間を大切にしています。
5月の視察で出会った人々の多くが「森は自分自身でいられる場所」と、語っていたのも印象的でした。
伊那市にも豊かな森がありますが、
「興味はあるものの一人では出かけづらい」
「森でのすごし方を知りたい」
と感じている人も、実は多いのではないでしょうか。
フィンランドの人に「森へ何をしに行くの?」と聞いてみると、「ただ過ごすためだよ」との答えが返ってきて、驚いたことがあります。
今回はまさに、森での時間を味わう会にしたいとの思いで、目的やテーマをとくに設けず、
たき火をたいて、シートを広げて、思い思いのすごし方を楽しむひとときを過ごしました。
セミのかくれんぼ
カブトムシのブローチ
森を歩くだけで発見がたくさん
常盤さんと森を歩くと、今まで自分にとってただの「木」や「虫」「ちょうちょ」だったものの解像度がぐっと上がります。
「オオムラサキの羽」「あの大きな葉っぱは朴葉」
「ウリハダカエデの幹にたくさんのセミの抜け殻」「あそこにあるのは山ぶどうかもしれない」
「あのツルでかごを編めそう」「あの枝はいい弓矢になるかも」
生き物や植物の名前、それを生かしてできそうなことがあまりにも自然に登場します。
時々立ち止まりながら地面や木の幹に目を凝らし、こもれび広場まで歩く道すがらで多くの発見と自然からのおみやげを拾い集めます。
ファイヤースターターで火起こし
たき火の着火に初挑戦する中学生
マシュマロを真剣に焼く
広場につくと、火おこしの始まり。
乾いた小枝をみんなで少しずつ集めて、着火。
入れる薪をだんだん大きくしながら、火が安定するまで見守り育てます。
まちは30度をこえる暑さでしたが、森の中には木陰があって
ときどき吹く風が心地よく、たき火があってもすごせる気温。
セミや鳥の鳴き声も聞こえてきて、なにをするでもなく「ただ過ごす」だけでも十分だという
フィンランドの人の言葉を思い出します。
水場へ散歩に出かける人たち、
ハンモックに揺られて、いすに座って森での時間をゆっくりと吸い込む人たち、
ぽつぽつと言葉を交わすおしゃべり、
たき火で焼いたおにぎり、ソーセージ、とうもろこしなど思い思いに味わったり
家からもってきた縫いものをしながらフィンランドの話をしたり、
ゆるやかな時間が流れました。
森の中でフィンランドのことを考える
フィンランドの話をするなかで、
人たちの暮らしの豊かさの背景にある歴史、
日照時間が短く、暗くて長い冬という厳しい地理的条件に思いをはせました。
競争をせず、人々が大切なものをちゃんと大切にできる時間や心のゆとりをもてること、
仕事後にスポーツや習い事をしたり、家族との時間をたっぷりと過ごしたりできること、
休憩や休暇でしっかり休み、クリアな思考で本当の目的に向かってやるべきことを見据えて仕事をすること、
わたしたちの暮らしや社会のあり方を見つめなおすヒントを、
このような対話を通して心で感じる機会にもなりました。
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伊那市役所 企画部 地域創造課 地域ブランド推進係
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