Vol.6 地域の歴史と行事(1) 「芝平山絵図虫干し行事」
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更新日:2023年7月25日
伊那市内に残る、様々な歴史や行事について紹介していきます。
今回は高遠町の芝平、御堂垣外、荒町、北原、栗田、四日市場で行われている、芝平山絵図虫干し行事について紹介します。
芝平山絵図虫干し行事の由来と現在
伊那谷の山間地では、農地が狭く、人々は山の恵みをたくみに活かして暮らしてきました。煮炊きの燃料にする薪や草木灰などの肥料、馬など家畜の餌など、人々の生活に欠かせないものの多くを、伊那谷の人々は山から手に入れていました。そのため、どこまでがわが村の山か、境界をめぐって多くの争いが起きました。
宝永年間(1704~1711)に高遠領の伊那郡6ヶ村と、諏訪領の諏訪郡12ヶ村の間で起こった山論は、江戸幕府評定所にまで訴訟が及びました。その結果、伊那郡6ヶ村の訴えを認める判決が下されました。また、判決を証拠として残すために、絵図を作成し、双方に交付しました。
この絵図は現在も大切に保管されており、裏書に判決と、幕府勘定奉行の捺印が確認できます。
絵図作成から315年。
令和5年7月15日。
今年も、各地区の代表は担当地区の公民館に集まりました。
そして、宝永年間に起こった山論の採決を記した、たたみ2畳半ほどの大きな絵図と張り子の芝平山の模型を木箱から取り出し、中身を確認しながら行う虫干し行事が行われました。
絵図の入った箱の封印を解く
箱の中身を一点ずつ確認
宝永年間から300年以上にわたって行われてきた行事で、虫干しが終わると再び封印をし、担当地区の責任者が高遠町歴史博物館に収め、1年間保管をされます。
広げられた大きな絵図
再び封印をする様子
この箱と、絵図のレプリカは、博物館2階の常設展示にて展示していますので、機会がありましたらご覧ください。
お問い合わせ
伊那市役所 教育委員会 生涯学習課 高遠町歴史博物館
電話:0265-94-4444
ファクス:0265-94-4460
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