Vol.7 特別展紹介(1) 「高遠城のお稲荷さん」
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更新日:2023年11月16日
令和5年9月9日(土曜日)から、第80回特別展「高遠城二ノ丸厩稲荷本殿・上屋及び奉納品類県宝指定記念展 高遠城のお稲荷さん」が開催されています。
「高遠城のお稲荷さん」展示風景
特別展オープニング 学芸員による解説の様子
江戸時代、高遠城には三つのお稲荷さん(稲荷三社)がありました。そのうち二ノ丸の厩にあったのが厩稲荷で、2月最初の午の日(初午)がお祭りの日でした。厩稲荷は高遠藩主をはじめ御厩に関係するさまざまな人々の信仰をあつめ、数多くの品物が奉納されました。
明治4年(1871)、明治政府が廃藩置県を断行すると藩主であった内藤頼直は東京に移され、高遠城の建物はすべて撤去して新政府に明け渡し、城下町の役人と各郷の村役人に配分しました。このような動きのなかで、御厩肝煎小田切伊左衛門は明治5年(1872)3月10日、厩稲荷を内藤頼直から与えられ、宮田村中越の自宅に移設しました。このとき、高遠藩士らの氏や名前の入った27枚の幟をはじめ、厩稲荷に関する奉納品もすべて受け取ったと思われます。厩稲荷が小田切家に与えられたのはなぜでしょうか。その理由として、小田切伊左衛門の御厩における長年の働きぶりに対する高い評価と、御馬方を中心に高遠藩関係者からの感謝とねぎらいの気持ちがあったと思われます。
明治以降今日に至るまで、小田切家では稲荷社を大切にお祭りし、奉納品類も繰り返し修繕するなど心を込めて取り扱ってきました。そのため、奉納品類の保存状態は極めて良好で、江戸時代さながらの姿を目にすることができます。
特別展「高遠城のお稲荷さん」は、令和5年12月10日(日曜日)までです。この機会に博物館へ足を運んでいただき、ご覧いただけると幸いです。
お問い合わせ
伊那市役所 教育委員会 生涯学習課 高遠町歴史博物館
電話:0265-94-4444
ファクス:0265-94-4460
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