高遠城址公園 開園150周年
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更新日:2025年4月28日
廃城から公園への歩み
1875(明治8)年に高遠城跡が公園となって、今年で150年の節目を迎えます。高遠城址公園は、日本における公園制度草創期に誕生した数少ない公園の1つです。
現在、園内には約1,500本の桜があり、中には樹齢150年を迎える古木も見られます。地域住民や桜守によって大切に守られてきた桜は、「天下第一の桜」と称されるほどの名所として、現代へ受け継がれています。
廃城を経て公園となり、桜の名所となった歩みを振り返ります。また、市では、さまざまな記念事業を開催する予定です。ぜひ、お楽しみに。
明治時代の高遠城址公園遠望
現在の高遠城址公園遠望
明治、大正、昭和、平成、令和 ~五つの時代を繋いで~
明治
江戸時代中期の桜ノ馬場『高藩探勝』絵巻より「桜馬場春駒」
- 1869(明治2)年 版籍奉還
高遠城主の内藤頼直は知藩事となり、高遠藩知事に任命される。
- 1871(明治4)年 廃藩置県
高遠藩から高遠県になり、その後松本県他6県と統合し、
筑摩県となる。
- 1872(明治5)年 高遠城の廃城
建物の取り壊し、樹木の伐採、土地の処分が行われる。
それぞれ民間に払い下げられ、翌年、城跡は更地になる。
満開の桜の下、本丸で行われた小学校運動会 大正時代
- 1873(明治6)年 公園制度の発足(太政官布達第16号)
東京浅草、上野、芝など5カ所に日本初の公園が誕生する。
- 1875(明治8)年 高遠城跡の公園指定
6月に指定申請、10月に公園指定を受ける。
現在の長野県内で最初に指定された4カ所の公園のうちの1つ
- 1876(明治9)年 城下の桜ノ馬場から桜の苗や芝草を移植
東高遠町の旧藩士らが中心となり、現在の高遠町小原にあった
「桜ノ馬場」から芝草や桜のひこばえ(若芽)を掘り取り、公園に植える。
公園守を置いて、花や樹の管理、公園の清掃などを行う。
- 1877(明治10)年 本丸に太鼓櫓を建築
1943(昭和18)年まで、公園守が2時間毎に時を告げる太鼓を打ち鳴らした。
- 1881(明治14)年
本丸に高遠公園碑を建立する。
高遠閣上棟式 1936(昭和11)年
大正・昭和
- 1934(昭和9)年
二ノ丸に「天下第一櫻」の碑を建立する。
- 1936(昭和11)年 公園のシンボル「高遠閣」落成
二ノ丸内の北東に、池上秀畝ら地元出身の有志や地域住民の
寄付により建設される。
- 1940(昭和15~24)年代
戦争による食糧難が深刻化する中、桜は伐採され、園内は「食糧増産の畑」としていた。終戦後、先人の意思を引継ぎ、再び桜を植える。
- 1949(昭和24)年
本丸入口に城下から問屋門を移築する。
- 1958(昭和33)年
園内の一部が三峰川水系県立公園に指定される。
- 1960(昭和35)年
「高遠のコヒガンザクラ樹林」が県天然記念物に指定される。
- 1964(昭和39)年
高遠城跡が県史跡に指定される。
- 1973(昭和48)年
高遠城跡(進徳館含む)約12.6haが国史跡に指定される。
- 1976(昭和51)年
城跡の内5.5haが都市公園「高遠城址公園」になる。
- 1979(昭和54)年
桜をシンボルとする「高遠町桜憲章」を制定する。
- 1983(昭和58)年
桜愛護のため、高遠城址公園さくら祭り有料入園化
二ノ丸から桜雲橋 方向を撮影 1949(昭和24)年
出店建物が並ぶ様子 1957(昭和32)年
弁財天河原臨時駐車場 1970年代
当時の弁財天河原臨時駐車場は、観桜客を乗せた大型バスで溢れ返っていた。1970年代後半以降は、自家用車が普及し、道路の交通渋滞はさくら祭りの課題となっていった。
平成
- 1990(平成2)年 タカトオコヒガンザクラの命名
「国際さくらシンポジウムin高遠」において、城址公園や周辺に植生するサクラは固有の貴重なものであることが認められ、
正式に「タカトオコヒガンザクラ」と命名される。
高遠城址公園が「さくら名所100選の地」に選ばれる。
- 2000(平成12)年
観桜期の有料入園者が過去最多の39万3,604人を記録する。
- 2002(平成14)年
累計有料入園者500万人達成、観桜期ライトアップが始まる。
- 2006(平成18)年
高遠城が「日本100名城」に選ばれる。
- 2019(平成31)年
累計有料入園者900万人達成する。
令和
●2025(令和7)年 高遠城址公園 開園150周年
園内のタカトオコヒガンザクラは、大部分が植樹から80年が経過し、老木化が進んでいます。
これからも皆様に愛される公園として、園内のタカトオコヒガンザクラとともに、未来へ受け継いでいきます。
高遠城址公園さくら祭りを彩るポスター
左:1965(昭和40)年、右:2025(令和7)年
時代は変わっても、色あせない桜の魅力を表現している。
記念事業
詳しくは市公式HPなどでおしらせします。
(1)「進徳館の日」記念講演会
開催期日 : 5月24日(土曜) 講師 : 内田和伸氏(奈良文化財研究所)
内容 : 近世城跡が近現代において公園化していく状況を、高遠公園をはじめ全国の事例をもとにお話いただきます。
(2)高遠城址公園フェス
開催予定日 : 7月26日(土曜)
内容 : 飲食イベント(キッチンカー出店など)、子ども広場、高遠閣を会場にした落語会などを予定しています。
(3)高遠城の戦い舞台公演
公演期日 : 10月11日(土曜)・12日(日曜)
内容 : 劇団「咲花座」による仁科五郎盛信に焦点を当てた物語を伝える舞台公演です。
会場 : ニシザワいなっせホール
(4)高遠城跡ガイドツアー
ツアー予定日 : 令和7年秋
内容 : 高遠城の再現図を手掛ける池上典氏による、高遠城の歴史を振り返りながら園内を巡るガイドツアーです。
(5)150周年を振り返るパネル展
高遠城の歴史を振り返りながら、廃城を経て公園となり、桜の名所となったあゆみをたどる内容です。春夏秋冬の各イベントを期間中に随時展示されますので、ぜひご覧ください。
問【高遠町】高遠商工観光課
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