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らんぼうさん

更新日:2014年10月1日

 伊那市長 白鳥孝
コートにスミレを

 まだ肌を刺す北風が 君の髪の毛を
 胸の想いを 語るように
 乱しては過ぎる
 なんて辛い恋の終わりか 言葉も少なく
 愛のかけらを 重ねあっても 空しく崩れる
 コートにスミレの花ひとつ
 さり気なく差して
 君は小さな肩をすぼめ 坂を下りていく
 (作詞作曲 みなみらんぼう)

ウイスキーの小瓶

 ウイスキーの小瓶を口に運びながら
 涙と想い出を肴にして
 酔いつぶれてしまいたいなどと
 思っているこの僕を
 貴方が見たら子供のようだと
 きっと僕を笑うでしょうね
 わかっていながら飲む男の気持ちなど
 貴方は知りもせず
 (作詞作曲 みなみらんぼう)

 ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、これらの曲はシンガーソングライターのみなみらんぼうさんの作詞作曲です。詩には寂しさを伴い、曲には切なさが漂うこれらの曲は、独特の哀愁を帯びた歌声とともに私たちの記憶のなかにあります。コマーシャルなどで時々みかけるものの、最近は音楽活動をしていないかのように思われますが、実はらんぼうさんはこの10数年前から登山家として、また作家として活躍中です。首都圏の読売新聞夕刊では、毎週月曜に「みなみらんぼうの一歩二歩山歩」と題して15年近くの連載コラムを持っています。そしてらんぼうさんは、伊那のファンであり、毎年のように伊那周辺の山登りや、自然保護などの講演会などに訪れています。そして私も山の仲間として、長野県内の山々や遠く四国の山などにも一緒に登ってきました。三峰川の遡行(2000年夏)、守屋山(2002年冬)、西駒ヶ岳(2003年秋)、戸倉山(2004年春)、鹿嶺高原(2004年冬)、権兵衛峠(2006年冬)、北八ヶ岳(2008年秋)、経ヶ岳(2010年春)、鬼面山(2011年秋)、仙丈ケ岳(?夏)などがそれらの山行です。また同行していない山でも、辰野の霧訪山、西春近の権現山、富県の高烏山、飯島町の奥念丈岳、中央アルプスの越百山や空木岳、南アルプスの東駒ヶ岳・塩見岳・入笠山など、それこそきりがないほど伊那谷の山々を登っています。そんな古いお付き合いのなかから伊那市高遠町にある守屋山に登った時の記録を載せさせていただきます。今から10年ほど前の冬の登山記録です。

守屋山(1650m)

 12月31日の天気予報は、長野県南部は曇りで午後から雪か雨だった。山頂での大パノラマはなかばあきらめて、下山まで天気が持ってくれることを祈って午前9時に歩き出した。メンバーはみなみらんぼうさんと奥さん、それにらんぼうさんの山仲間3人と私の総勢6人パーティーだ。
一度登ってみたいと思っていた立石ルートから、ひと気のない冬の別荘地を歩き出す。雪はくるぶし程度だ。キュッ、キュッと乾いた雪の音が靴底から聞こえてくる。初おろしの黄色いプラスチックブーツが小気味よいリズムをつくる。雑木林のなかにつけられた登山道は、地形の弱点を上手について引かれている。急な登りはジグザグを切ってありとても歩きやすい。登山口から25分で、コースのいわれとなる「立石」に着いた。巨大なこけしのような巨岩がすくっと立っている。仙丈ケ岳をはじめとする南アルプス連山の展望が利いてきた。立石の先には「十文字岩」が待っていた。高さ30m、幅20mほどだろうか。巨大な岩が圧倒的な迫力でせまっている。その横にあるケヤキの脇には「平成のビーナス」と書かれた小さな板が控えめにある。一同、「あれ、なんだろう?どれだろう?」と首を傾けて辺りを見回した。するとらんぼうさんが「これ、これだよ、これ」とトレードマークのヒゲをひくひく動かして、気の根本の意味深な「Yの字」を指す。うーん、かなり具体的だ。着眼点が違う。いや、そうかもしれないが、木の幹に二つ並んだ円すいのこぶの方が、形といい、こぶの間隔といい、いかにも女性のバストに似ていてそれっぽい。平成のビーナス論争は、木に乗った雪が溶けて、円すいの先からポタリと落ちるのを見てうやむやに落ち着いた。
 立石ルートはさらに「親子岩」、「屏風岩」が続き、急な登りの上方に「鬼ヶ城」が現れた。昔の人は、この岩穴に鬼が住んでいると恐れていたらしい。テントが張れそうな大きな岩小屋だ。鬼ヶ城を越え、秋にはマツタケが出そうな松林を抜けると「浅間の滝」に出た。高さは6mくらいはあるだろうか。南向きの滝は結氷していて、太陽にキラキラ輝いている。凍った滝をバックにみんなで写真を撮っていると、下から2人パーティーが登ってきた。長靴、スコップのいでたちに、ザックにはしめ縄がくくりつけてある。登山者とはどうも違う。もしかしたら・・・と声をかけると、果たしてこの立石ルートを拓いた地元藤沢集落の守屋源一さんだった。娘さん(これも悩んだ。らんぼうさんは若い奥さんだという。いやいやどう見てもあれは娘さんですと僕は主張する)と2人で、浅間の滝の上部にしめ縄をつって、さらに守屋山山頂の祠へも飾ってくるのだという。守屋源一さんと別れてさらに登ると、諏訪方面からくるルートに合流した。雪は次第に深くなってきた。このあたりで50cmはありそうだ。尾根上は防火帯になっていて、かなり急なジグザグ登りが20分ほど続く。この立石ルートで一番きつい箇所かもしれない。諏訪からの一般ルートに合流してさらに少し登ると、急に樹林帯が切れて、明るく開けた守屋山東峰(1620m)に着いた。
 抜群の展望である。冬山なのに無風快晴の天気、天気予報はうれしい誤算だ。仙丈ケ岳、東駒ヶ岳、鋸岳、塩見岳などの南アルプスの山々、経ヶ岳、将棋頭山、西駒ヶ岳、空木岳、南駒ヶ岳、越百山、念丈岳、恵那山の中央アルプスの山、振り返れば編笠山、赤岳、横岳、硫黄岳、天狗岳、蓼科山の八ヶ岳連峰から霧ヶ峰のアスピーテまで、さらに目をやれば「日本百名山」の著者、深田久弥終焉の山、茅ヶ岳まで見える。贅沢すぎる眺望はさらに北アルプスまで続く。あいにく、暮れの31日には北アルプスは雲に包まれてよく見えなかったが、これほどの展望ができる山はそうはあるまい。一説には日本百名山のうち、32座とも36座ともいわれる山が守屋山から見えるという。ひょっとしたら日本一百名山が眺望できる山かもしれない。ただ惜しむらくは、富士山が見えないことだ。入笠山に隠れていて残念だがしかたがない。しかし途中にあった「浅間の滝」には、霊峰富士山の祭神「木花咲耶姫(このはなさくやひめ)」が祭られていたから、やはり富士山は意識のうちにあるのだろう。
 山頂では早速、ザックからビールを取り出して栓を開けた。らんぼうさんも、同行の仲間も一瞬驚きの声を上げた。「山頂でビールが飲める」明らかに嬉しそうな顔をした。つまみにイカの塩辛を出し、生ねぎを刻んで八幡屋磯五郎の七味唐辛子をかけた。するとらんぼうさんが、「こんなことなら赤ワインとチーズを持ってくるべきだった」と後悔のひと言。ビールは500mlが2本だから、6人だとあっという間に終わってしまった。次に僕のザックから取り出したのは、日本酒パックだ。思わずみんなの口元がほころんで、少し遠慮がちにコップが差し出される。それぞれに幸せな時間である。時間はたっぷりある。天気も上々だ。一休みしてから、せっかくだから西峰まで行きましょうとみんなを誘う。しかし無風快晴の天気と、思いもかけないビールと日本酒で気力が萎え、ここで満足しきったメンバーが出た。らんぼうさんの奥さんと他の2人は東峰でぜんざいを作ったり、写真を撮ったりして待つという。結局らんぼうさんと僕と、もう1人で向かうことになった。
 西峰からは御嶽が見えるという。「ならば乗鞍も見えるのか?そうか、西峰と東峰の両方から日本百名山が眺められるから、守屋山は山座同定できる山の数が多いんだ」と雪焼けに加えて、目の周りが赤くなった足取りで、そんな話をしながら西峰へ向かった。

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