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日本を支えるモデル都市の構築を目指して

更新日:2021年6月7日

ポテンシャル高きINA Valley

 伊那市は、長野県南部に位置し、南アルプスと中央アルプスに囲まれた自然豊かな地方都市である。農林業や製造業、観光など、特色ある産業がバランスよく発展している。また、数年後に迫ったリニア中央新幹線の開業や三遠南信自動車道の開通により、都市圏との時間距離は格段に短縮されることとなる。
 そうした地域環境の中で、人口7万人弱の本市が先端技術を活用した「ローカルGovTechのまち」として、全国から注目されるに至った経過や背景について、記したいと思う。

「日本の未来のかたち」を伊那市から

 日本の社会構造を見ると、食料やエネルギーの多くを国外からの輸入に頼っている。こうした状況を変えない限り、いくら地方への人流喚起や産業立地を進めても、将来にわたり持続可能な地域づくりは実現しない。
 本市では、農産物などの地産地消だけでなく、木質ペレットや小水力発電などによる、再生可能エネルギーへの転換を通じたサーキュラーエコノミーの構築を進めている。
 具体的には、森林が富と雇用を支える「伊那市50年の森林(もり)ビジョン」の推進や、CO2削減による低炭素社会の実現、脱プラスチックやフードロスの低減を通じたエシカル消費など、市民レベルでのムーブメントを起こしていきたいと考えている。

テクノロジーの活用哲学

 人口減少や少子高齢化など、地域を取り巻く環境は年々厳しさを増し、その対応は待ったなしである。農林業をはじめ各産業分野における担い手不足や遊休荒廃地の増加、鳥獣害の拡大や生活ゴミの排出による自然環境の悪化、交通・買い物・医療弱者の増加、小規模校における多様な教育機会の確保など、さまざまな課題が顕在化している。
 本市では平成28年に、大学・企業・行政が三位一体となった官民協働のコンソーシアム「伊那市新産業技術推進協議会」を組織し、PDCAを回しながら、第1期ではソリューション開発を中心に、第2期では実証事業を積み重ね、昨年度からの第3期では、いよいよサービス開始に至った分野もある。
 当該コンソーシアムには、大手IT企業やシンクタンクの他、各省庁からも多くのメンバーに参画いただき、国のアドバイザリーボードと比較しても、決して引けを取らない組織体制であると自負している。
 メンバー間では以下のベクトルを共有している。一つ目は、テクノロジーとマンパワーの融合により、ラストプロセスでは必ず人が介在する温かみのあるサービス展開とすること。二つ目は、コンパクトシティの推進に当たっては、ファシリティの集約といった物理的なコンパクトよりも、情報・交通・物流ネットワークにより、時間的なコンパクトを目指すこと。三つ目は、官民共創により、それぞれの知見や経験を生かしながら、相乗効果の発現に取り組むことである。
 本市では、総務省の地域おこし企業人交流プログラムを活用し、これまでに、沖電気工業、ソフトバンク、ゼンリン、NTT東日本、富士通といった名だたる企業からの社員出向を受け入れ、大きなパフォーマンスの発揮につなげてきた。

「世界最先端のド田舎!」とは

 本市のふるさと大使をお願いしている飯島勲内閣参与が、ビジネス誌「プレジデント」において「日本一のスマートシティが長野の里山に爆誕!」とのキャッチーな記事を寄稿いただいた。全国各地から行政視察の要望が殺到しており、まさにうれしい悲鳴である。
 農業・林業・工業・交通・物流・定住・環境・行政・教育の9分野において、スマート化やデジタル化の取り組みを進めているところであるが、本稿では、昨年度からサービスを開始している「地域で暮らし続けられる生活基盤の確立に向けた取り組み」について、紹介させていただきたい。
 まずは、AI自動配車によるふれあい交通サービス「ぐるっとタクシー」についてである。従来の公共交通においては、空気を運んでいるとか、使い勝手が悪いなどのご指摘をいただいてきた。そうした中で、思い立ったらすぐに使えて、自宅から目的地までドアツードアで送迎してくれる、利用者のたっての願いをかなえる新たな運行の仕組みとして、昨年4月からサービスを開始した。
 当該サービスは、バスの乗り合い性とタクシーの即応性を両立しつつ、時間やルートを固定しない、高齢者や障害者、運転免許返納者の移動手段として構築したものである。AIを組み込むことで、運行の最適化を図りながら、最小の車両台数で最大の運送効率を上げることをコンセプトとしている。
 次に、ドローンを使った支え合い買い物サービス「ゆうあいマーケット」についてである。このプロジェクトは、商品の調達から、受発注・配送・代金決済まで一連のサプライチェーンを構築するものである。ドローンの目視外自律飛行に関しては、航空法や民法などの規制により、第三者上空を飛ぶこと自体ハードルが高いことや、万が一のリスクヘッジの観点から、河川上空を航路として、市街地のスーパーから各地区の公民館まで商品配送を行う仕組みである。
 公民館から注文者宅までのラストマイルは、安否確認や見守りを兼ねて、ボランティアの皆さんに商品のお届けをお願いしている。また、過疎地域で大半の家庭が加入されているケーブルテレビのリモコン操作だけで、300品目に及ぶ商品の中から買い物を楽しむことができ、商品代金などを毎月のテレビ受信料と一括で口座振替することにより、究極のキャッシュレスを実現している。さらに、午前中に注文した商品が当日の夕方までに届くという、極めて短いリードタイムが魅力の一つとなっている。
 昨年8月からサービスを開始しているが、事業効果として、ボランティアによる顔の見える関係や世代間交流に基づくコミュニティ機能の再生、ケーブルテレビ放送事業者による物流事業への異業種参入、地元スーパーにおける商品流通の販路拡大などが挙げられる。

ドローンのようす
ドローンによる公民館への商品配送

 次に、遠隔医療プラットフォームとしての、医師の乗らない移動診療車「モバイルクリニック」についてである。地域医療においては、医師不足で訪問診療がままならない状況や、医療機関の偏在により、通院に多大な費用と時間を要するなどの課題に対し、医師と患者の両面から負担軽減が求められている。そうした課題を解決するため、医療機器を積んだ専用車両に運転手と看護師が乗り込み、患者宅へ出向いて、医療機関に残った医師との間でオンライン診療を行うという全く新たなサービスモデルを構築するものである。現在、市内六つの医療機関が事業に参画しており、昨年6月から実際の保険診療を開始している。本年2月からは、遠隔服薬指導への適用も始まった。
 在宅で医療が受けられても、薬を取りに行くのでは効果が半減してしまうため、診療と投薬をセットで捉える必要がある。併せて、市販薬だけでなく、調剤薬まで戸宅配送が可能な一気通貫の医薬提供体系を構築していきたい。
 事業の安定運営に向け、財源の問題は避けて通れない道であるが、当面は2階建て方式による運用が現実的と考えている。運転手を含めて車両の保守や運行経費などインフラにかかる1階建て部分を行政が担い、看護師の共用化などを図った上で、医療・看護・薬剤などのサービスにかかる2階建て部分を、医師会や薬剤師会など民間のサービス提供者が運営していくイメージである。

モバイルクリニックのようす
モバイルクリニックによるオンライン診療

「困っている人に希望の光を届ける」

 ゆうあいマーケットやモバイルクリニックは、不特定多数の人と接触することなく買い物や医療サービスを受けられる、ウィズコロナ時代ならではの全く新たなサービスプラットフォームとして、今後、広く社会に水平展開されていくことを期待している。
 後遺症によるまひが原因で、社会との交わりを拒絶していた方が、ぐるっとタクシーを使いこなせるようになり、自ら積極的に地域活動にも参加するようになった事例の他、終末期の患者さんがモバイルクリニックによって、日常生活に対する前向きな気持ちを取り戻し、残された時間を悔いなく有意義に過ごすことができたと、ご家族から感謝の手紙をいただいたこともある。これは、まさにノーマライゼーションの一コマと言っても過言ではない。
 デジタライゼーションは、社会に便利さを与えてくれるが、われわれが目指すゴールはそこではない。デジタル化のためのデジタル化ではなく、ユーザーフレンドリーの実現により、暮らしの豊かさや働き方の変革につなげていくこと、すなわちデジタルトランスフォーメーション(DX)にほかならないのである。
 本市では、一般的には相反関係にある「環境」(エコロジー)と、「経済」(エコノミー)が親和した都市という意味合いで、「スーパーエコポリス」と称する伊那市版Society5.0の推進を図っている。今後も「伊那に生きる、ここに暮らし続ける」というシビックプライドの醸成につなげていきたい。

 伊那市長 白鳥 孝

 全国市長会機関誌 「市政」 2021年年6月号 掲載

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伊那市役所 総務部 秘書広報課 広報広聴係
電話:0265-78-4111(内線2131 2132)
ファクス:0265-74-1250

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