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「新宿高野フルーツパーラー」

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更新日:2014年11月26日

 伊那市長 白鳥 孝

 新宿の由来は、江戸時代の5街道のひとつ、甲州街道にある高井戸と、基点の日本橋の間に新たに作られた「内藤新宿」がはじまりです。当時は日本橋から高井戸宿までの距離が長く、旅人や人夫等が苦労していたため、内藤新宿はその中間に新たに作られた宿場です。そして内藤新宿は、いわずと知れた高遠藩主内藤家の下屋敷で、その御縁で新宿区と旧高遠町は友好都市の締結をし、平成18年の3市町村合併時に改めて、伊那市と新宿区は友好都市の締結をしています。東京都の副都心である新宿区は、まさに日本を代表する繁華街です。JR山手線、小田急線、京王線や、地下鉄各線の交差する新宿駅の乗降客数は世界一の一日420万人を誇り、東京都庁や超高層オフィスビルが林立し、歌舞伎町などの歓楽街、超高層マンションが立ち並ぶ、日本で最も活力のある町です。
 新宿は、江戸・明治・大正・昭和・平成と、宿場町から次第に商業、文教、ビジネス、居住地域の町として発展してきました。なかでも新宿中村屋、紀伊国屋、伊勢丹、新宿高野、柿傳などは新宿を代表する老舗です。現在の新宿を築いてきた老舗中の老舗といってもいいでしょう。今回は伊那市産ブルーベリーを通した、新宿高野と伊那市の新たな取り組みのお話をします。
 新宿高野は新宿駅東口に本店を持つ果物専門の店です。「タカノフルーツパーラー」や「高級フルーツの店」で知られ、私の学生時代などはなかなか近寄りがたい存在の高級店でした。タカノビルの地下一階に入ると、美しくディスプレイされたリンゴやブドウ、ナシ、イチゴなどが並んでいます。有名なマスクメロンは、ひと玉が2万円以上もしています。美味しそうなブドウの値段を見てみると、8,000円とありました。ひと房の値段です。
 誰もが知っている高級店で、日本で最も有名な果物店、高級なフルーツパーラーで、伊那産の果物を扱ってもらえたらどんなにか素敵だろう。伊那の名前と果物が一気に広がるのにな、と考えたのは2年前のことでした。首尾よくイチゴ、リンゴ、トマトなどを新宿高野で販売できれば、伊那産の農産物のブランド化が図れるのだろうし、日本中に伊那の果物を知ってもらえるのではないかと考えたのです。新宿区の中山区長さんに相談しました。するとすぐに高野の社長さんに取り次いでくださり、この話が始まりました。意外とスムースに事が運べると思ったのですが、世の中それほど甘くありません。さすがに老舗だけあって、担当部長、課長などが厳しいチェックをかけてきます。品質・生産量・残留農薬などの品質チェック・生産時期などから始まり、高野で扱うのなら対象を何にするのか、あるいは加工製品も含めるのか、テーマを絞れるか、私やJAの専務や市の職員が何度も足を運び打ち合わせをしました。
 JA上伊那と伊那市役所の若手メンバーでプロジェクトチームを作ったのが、平成25年7月のことでした。伊那市からは農政課だけではなく、税務課、健康推進課、生涯学習課などから男性女性問わず、やる気満々の職員7名の応募があり、JAからも4名の若手が参加してきました。当初は伊那では珍しいイチジクを対象に絞り、オリジナルパッケージを考案し、商品開発の提案など新宿高野に持ちかけました。なかなか反応もよく、首尾よく事が進んだかのように見えたのでしたが、高野側のある部署からチェックが入ってしまいました。それは、品質、味、新鮮味などは申し分ないが、数の確保が難しいのではないかと言うものでした。確かに新宿高野で毎日扱うには生産数は足りそうにありません。プロジェクトメンバーが落胆していると、暫くして高野側から、「いろいろ伊那のことを調べてみたが、伊那には大粒のブルーベリーがあり、数量も一定数以上確保できるのではないか」、「ブルーベリーを高野と伊那市のコラボレーションにしませんか?」との逆提案がありました。欣喜雀躍、プロジェクトメンバーは大喜びです。「八方美しプロジェクト」のプレゼンテーションを、新宿高野に持ち込み、高野取締役、蚊爪部長、コーディネーターを前に若手職員が発表しました。JAの牛山専務、片桐審議役も同席です。プロジェクトメンバーの何度かの高野訪問と、高野担当者の何度かの伊那市訪問の末、いよいよ新宿高野での販売計画が始まりました。「新宿高野・信州伊那コラボレーション」、「サイズは16ミリメートル、こだわりの大粒ブルーベリー」、「ブルーベリー特集」と銘打ったパンフレットができあがり、平成26年7月18(金曜日)から7月31日(木曜日)までの14日間、伊那産ブルーベリーフェアが新宿高野の地下一階の超高級店内で始まったのです。
 大粒ブルーベリーの産地は、伊那市高遠町勝間の伊藤保雄さんが代表をする「勝間ブルーベリー出荷組合」です。ブルーベリーの種類は「ブルーレイ」と「ブルークロップ」で、商品名を「蜜のつぶ」と言います。本当に大粒で、直径は16ミリメートルもあります。高野さんでは、「伊那産ブルーベリーパフェ(1,728円)」、「伊那産ブルーベリータルト(648円)」、「伊那産ブルーベリーショートケーキ(486円)」、「伊那産ブルーベリーのパンナコッタデザート(432円)」と、「ブルーベリーの生果販売(小600円・大1,200円)」を大盛況のうちに開催できました。それにこのコラボレーション企画に、勝間ブルーベリー出荷組合」の秋山文男さんのブルーベリー講習会も開かれ、都会の女性を対象に伊那市の宣伝をしっかりしてもらいました。さらにコラボレーション企画は続き、7月28日(月曜日)には、今回のキューピットをしていただいた中山新宿区長と新宿高野の高野社長、それにJA上伊那の御子柴組合長と私の4名で、伊那産ブルーベリーパフェを食べながらの「トップミーティング」が和やかなうちに開かれました。
 今回の企画は大成功でした。若手伊那市職員、JA職員のプロジェクトメンバーの活躍と、新宿高野さんのあたたかな対応、中山新宿区長の橋渡しと、美味しいブルーベリーを供給してくださった「勝間ブルーベリー出荷組合」のみなさん。高野フルーツパーラーからは、「何年も続けましょう」、「最初は小さくても、焦らず次第に大きく育てましょう」とイチジクやイチゴ、リンゴに継続できるような、夢をいただきました。
 旧高遠町と新宿区の縁がなければできなかった今回の企画です。伊那市を大都会新宿で発信できた企画です。伊那産農産物のブランド化の最初の一歩です。来年は新宿高野が創業して130年の記念の年、そして新宿駅が開かれて130年の記念の年、次回は新宿に加えて、伊那市でも新宿高野のイベントができないか、今から若手職員が燃えています。

「やますそ」 伊那市高遠町婦人会 第58号文集 掲載

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