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地域から取り組む気候変動対策

更新日:2021年11月22日

長野県南部に位置する伊那市は、豊かな山林や河川などの身近な資源を活用し、木質バイオマスボイラーの導入や小水力発電等の再生可能エネルギーの普及を推進するなど、二酸化炭素排出抑制に積極的に取り組んでいる。地域課題の解決に向けた新産業技術の導入も含め、持続可能な地域づくりを目指す白鳥市長にお話を伺った。

伊那市長 白鳥 孝

聞き手:一般財団法人 日本立地センター 専務理事 上野うえの とおる

注記:インタビューは10月上旬に日本立地センターにて実施した。

伊那市の特徴とまちづくり

上野:伊那市は自然環境が豊かな場所という印象を持っていますが、まずは産業等を含めた市の特徴についてお聞かせいただけますか。

白鳥:伊那市の産業は製造業が中心で、コンデンサー、抵抗器等の精密関係や光工学関係から自動車部品、食品加工関係など多岐にわたるため、不況にも強い産業構造となっています。また、農業も出荷額は県下で一番です。米や果樹をはじめ花卉、酪農も盛んであり、多品種・少量生産・高品質です。観光は産業としては小さく、コロナ禍でも影響は軽微でした。

上野:産業構造のバランスが良いと、コロナ禍のようなイレギュラーな事態にも強いのですね。また、最近は異常気象による災害が多く落ち着きませんが、伊那市は災害にも強い地域だと伺っています。

白鳥:その通りです。南アルプスと中央アルプスがあるため、台風が上陸しても標高が高く熱エネルギーが弱まり消えてしまうので、強風による果実の落下程度の影響で済んでいます。それから大洪水がない。天竜川は上流の諏訪湖から遠州灘まで213kmありますが、大雨が降っても大洪水になる前にダムで事前放流して調整しています。また、地震も少ない地域です。
 災害とは別の話になりますが、晴天率の高さも特徴です。長野県でも松本から北は日本海側気候なのに対し、諏訪から南は太平洋側気候のため、冬は名古屋や山梨の天気と同じで、ほとんど雪も降りません。寒いときもありますが、過ごしやすいところです。
上野:リニア中央新幹線や三遠南信自動車道などの整備が進んでいますので、開通すると交通の利便性も高まりそうですね。

白鳥:現状では伊那から東京まで高速道路で3時間弱、名古屋まで2時間弱ですが、リニアが開通すると、品川から飯田の長野県駅まで45分、名古屋からは25分、そこから伊那まで高速道路で大体30分なので、1時間前後で移動が可能になります。首都圏へ通勤や、週末をこちらで過ごす二地域居住がしやすくなり、人の流れが大きく変わります。交流人口の増加や新たなビジネス機会の創出など、幅広い分野における経済効果が発出され、伊那谷の発展に大きく寄与するものと期待しています。コロナ禍で働き方が変化したことも追い風です。

上野:そうした環境の良さもあって、伊那市は田舎暮らしを望む移住希望者からの人気も高いと伺いますが、人を呼び込む取り組みとして、どのようなことをされていますか。

白鳥:ユニークな教育環境で子どもを学ばせたい移住者が多いです。伊那小学校では時間割、チャイム、通知表がなく、ヤギや豚の飼育等を通じて子どもたちの自ら学ぶ姿勢を引き出す総合学習を中心としており、詰め込みではない学習を実践しています。伊那小に注目してドキュメント映像にしたのが是枝裕和監督で、まだ若い頃から伊那小の取り組みを映像にずっと収めてきて「自分の映画の原点は伊那小だ」と仰っていました。
 保育関係でも、豊かな自然環境や地域資源を積極的に取り入れた「やまほいく」を実践している保育園が移住者を惹きつけています。
 田舎暮らしをしたい人向けの雑誌で高評価を得ており、子育て層のランキングでも上位にランクインしています。以前はJR東日本と組み、電車内の「トレインチャンネル」で紹介等もしましたが、やはり効果的なのは口コミです。移住した人がまた友達を呼んでというパターンが定着しています。

上野:先日テレビでUターンした方の特集を拝見しましたが、宿舎、食堂、映画館とキャンプ場の複合施設を運営されていて、楽しそうでした。

白鳥:2020年2月に株式会社テレビ東京ダイレクトと包括連携協定を結び、情報番組の中で、旅情報や特産品、新産業技術を生かした取り組みや移住定住など、伊那市の情報を幅広く全国に発信していただいています。同社の社長からは、素材が山ほどあるので番組のネタが尽きないと評価いただきました。ゴルフや山登り、様々な移住者を取材しても面白いし、SDGs関係でも注目されています。

デジタル化への対応

上野:地域課題の解決に向けて、スマート化やデジタル化の取り組みも進めていると伺っています。

白鳥:少子高齢化、後継者不足により、移動手段がない買い物弱者や医療困難者が多いのです。過疎地域でも暮らし続けられるように始まったのがスマートな新産業技術の導入です。
 AI自動配車による乗り合いタクシー(ぐるっとタクシー)、医師が乗らない移動診療車(モバイルクリニック)、ドローンを活用した支えあい買い物サービスは、実験ではなく実証に入っており、地域住民には非常に喜ばれています。
 他にもスマート農業(無人トラクター等や自動給水栓)、スマート林業(ドローンによる自動計測、木々の番地管理技術)、ICT教育も進んでいます。タブレット端末をコロナ前に小中学生全員に配布済みで、教職員もトレーニングしてきたので、一斉休校時にも授業を問題なく動かせました。

上野:DXへの取り組みがかなり進んでいる印象を受けますが、個々のアイデアはどのように生まれるのでしょうか。

白鳥:職員と意見交換を行う中で、どんどん新しい提案が出てくるのです。ただ、行政だけでは形にならないので、様々な民間企業の力をお借りしています。例えば、モバイルクリニックはトヨタ自動車株式会社とソフトバンク株式会社が出資するMONET Technologies 株式会社と株式会社フィリップス・ジャパン、ドローン運送は株式会社ゼンリンとKDDI 株式会社、スマート農業は株式会社クボタと信州大学、農研機構などと、それぞれコンソーシアムを組んでいます。
 ドローン関連では、次のステージとして、川崎重工業株式会社とともにヘリコプターの代替となりうるペイロード100kg以上、距離が100km以上自律航行可能なドローン「VTOL」(ブイトール)の開発を2~3年後の実用化に向けて取り組んでいます。地方創生交付金に採択されると、費用の95パーセントは国が見てくれますので、市の持ち出し分は5パーセントと有利に進めることができます。行政のアイデアと民間の力を活用し、なるべく小さい費用負担で、地域住民に喜んでもらうことができ、課題解決に繋がる仕組みを構築する。この繰り返しです。

上野:市に司令塔としての先見性があって、先端技術を持った企業に入ってもらうことで良い循環が生まれているのですね。

白鳥:先程挙げた企業等からは現在4人、市役所に社員を派遣してもらっています。課題にぶつかっても、それぞれが所属元から知見を持ち帰ってきてくれるので、対応が速いし、最先端の技術や考え方を投入できるので無駄がありません。

モバイルクリニックの写真
モバイルクリニック

「伊那から減らそうCO2!! ~伊那市二酸化炭素排出抑制計画~」策定の経緯

上野:次に、CO2 削減に関する取り組みについて伺います。2020年10月に菅首相(当時)が「2050年カーボンニュートラル」を宣言したのをきっかけに、脱炭素社会の実現を目指す取り組みが活発化しています。伊那市も今年3月に「2050年カーボンニュートラル宣言」を出されていますが、すでに2016年から「伊那から減らそうCO2!! ~伊那市二酸化炭素排出抑制計画~」を策定し、様々な取り組みをされておられます。これはどのような経緯があったのでしょうか。

白鳥:パリ協定等の世界的な温室効果ガスの削減要請を踏まえ、2016年3月に「伊那市50年の森林(もり)ビジョン」を策定しました。化石燃料依存の現状は、実質的に経済価値の大部分が海外に大きく流出していますが、地域の潤沢な森林資源を活用し自然エネルギーとして転換していくことで、内部循環型となり、地域活性化にもなります。ここで掲げた目標「持続可能な経済発展を担う林業・木材産業活動の推進」の達成に向け、地球温暖化対策の観点からも大変有効な、身近な資源である木質バイオマスの利用をさらに推進するために、同年12月に「伊那から減らそうCO2!! ~伊那市二酸化炭素排出抑制計画~」を策定し、二酸化炭素の排出抑制に取り組んできました。
 取り組みの起点となったのは、2008年2月に友好都市の新宿区とカーボンオフセット事業の協定を締結し、「新宿の森」を設定して、間伐を進めてきたことです。新宿区から毎年小学校4~6校の子どもたちが来て、森の仕組みを学び、間伐や工作体験などを行うツアーを10年以上行っています。また、間伐材から作った木のおもちゃ等木工製品を新宿区と伊那市の新生児にプレゼントしています。

上野:都会だとCO2削減はなかなか難しいですが、そのような形の連携もあるのですね。

白鳥:ESGの取り組みで環境に投資する企業が増えているので、伊那市のフィールドの提案をしています。企業版ふるさと納税による企業と連携した森林整備やカーボンオフセット事業等による森林整備を進めることで、再生可能エネルギーの活用に結びつけていきます。
 森林整備(植樹)は、「木を植えて、育てて、木材として使える大きさになったら切って、使って、また植える」という、森の循環する姿を目指しています。伊那の森は昭和40年代を中心に植えられた木が多く、成長しきって二酸化炭素の吸収力が低いのです。CO2を多く吸収する成長の早い木を植えて回転させ、山を作り替えていくことを「50年の森林(もり)ビジョン」で謳っています。

上野:50年という設定は、若者なら生きているうちに分かるところが良いですね。

白鳥:日本には森と生きる生活が元々あったのですが、輸入材に頼るようになってから森から離れ、手入れもしなくなりました。これを変えるべく、2019年10月に伊那市はフィンランドの北カルヤラ県と覚書を交わしました。フィンランドは2035年までにカーボンニュートラル達成という目標を設定しており、2030年までには石炭の発電使用が禁止になります。脱プラスチックなども進んでおり、夜も不必要な電気は消すなど、循環経済の実現に向けた環境政策の先進国です。往来を始めようとした矢先にコロナ禍で止まってしまい、現在はオンラインで交流しています。教育もフィンランドは世界一ですので、一緒に学んでいきたいです。

上野:フィンランドは森林が多いなど伊那市と共通点があり、脱炭素の取り組みも進んでいるので、交流で得るものは大きいでしょうね。
 森林資源の活用以外には、どのような取り組みを進めていますか。

白鳥:まず、再生可能エネルギーとして、薪・ペレットなどの木質バイオマスや小水力発電の活用を促進しています。
 一般家庭向けには薪ストーブ、ペレットストーブ、太陽熱給湯器(太陽熱利用システム)等の助成をすることで、これまで主流だった石油ストーブから置き換えています。農業用ハウスの暖房や、保育園・学校等の公共施設、温泉施設等のボイラーも灯油からペレットに切り替えを進めています。一般家庭と公共施設等の累計はペレットボイラー27台、ペレットストーブ499台ですが、さらに増やし、社会の仕組みそのものを再生可能エネルギーに替えていく取り組みです。ペレットが不足するので、今まで山に捨てていた間伐材をペレットにして活用する仕組みが軌道に乗ってきました。上伊那森林組合が持つペレット工場で年間4,000tの生産を来年度は4,500tまで上げる予定です。
 また、市内における小水力発電所(土地改良区2施設)、バイオマス(木質・有機)発電所の導入も進めています。

上野:一般家庭向け、公共施設向け、農家向けなど、様々な方面で地道な取り組みを進めているのですね。

白鳥:公共施設(市有施設)の照明や防犯灯・街路灯のLED化も推進しています。街路灯のLED化は全体の半数が置き換わっており、今年度中には残り全部も更新予定で、使用電力を減らしていきます。ライトダウンで使用電力を削減すればその分だけでも発電量を減らせるので、国にも世論形成などでLED化をもっと先導して動いてくれればと思います。
 脱プラスチック推進としては、包装材に経木(きょうぎ)を復活させ、会社を立ち上げて製造しています。2021年4~8月の生産量は、15万4,224枚になり、一部海外へも輸出しています。

上野:潤いがあって見た目も良いですね。

白鳥:殺菌効果も高いのです。厚みのある素材を組み立てて弁当箱にできればテイクアウト弁当用のプラスチックを減らせるので、新たな機械も開発中です。麦を使ったストローの開発もしています。今までは麦の収穫後の茎を取っていましたが、実の部分は不要で茎をストロー用とする麦を信州大学と共同開発しています。それを福祉関係の作業所で作る農福連携の取り組みです。
 その他にも、食品ロスの削減の一環として、生ゴミを減らす取り組みや、エコロジーな自転車を生活の中に取り込む運動、上伊那クリーンセンターにおける廃棄物発電、公共施設への太陽光発電の導入など、低炭素社会の実現に向けて数多くの実践が展開されています。

上野:市民一人ひとりが取り組める、身近なところからできる活動をされているのですね。
 さて、計画の策定から5年になりますが、この成果をどのように評価していますか。

白鳥:2025年度まで10年間の目標として、2つの指標を設定しました。 (1)市内一般家庭の二酸化炭素総排出量に対する再生可能エネルギーによる排出抑制割合は当初、25パーセントを目標としていましたが、2019年度末で達成し、 (2)再生可能エネルギーのうち、木質バイオマスによる二酸化炭素排出抑制量についても、3倍という当初目標が達成する見通しとなったため、2021年3月に取り組み内容を見直し、目標値をそれぞれ53パーセント、8倍と大幅に上方修正しました。
 常に目標値を立ててトライし、達成できれば次の目標値設定を繰り返しているので、かなり速いスピードで進んでいます。

上野:前倒しで達成されていて素晴らしいですね。あらためて先端的なカーボンニュートラルの取り組みをされていると感じました。伊那市は「SDGs未来都市」にも選定されていますし、モデル的な都市として期待が高まります。一方で、課題としてはどのようなものがありますか。

白鳥:おおむね順調に進んでいますが、木質バイオマス発電、バイオマス発電の達成率が0パーセントなどばらつきもあり、今後の課題としています。また、再生可能エネルギーの普及については、全国で画一的な再生可能エネルギーを導入するのではなく、地域にふさわしい、地域の実情にあった再生可能エネルギーを選択していくことが大切であると考えています。
 例えば、大規模な太陽光発電施設は必要なのか。業者はFIT(固定価格買取制度)で儲かりますが、結局は一般市民が電気料金の中で負担するだけです。廃棄処理についても明確でなく、住民とのトラブルも増えています。屋根に載せて家庭の電気を賄う程度なら良いですが、農地や森林を潰して広大な太陽光パネルを並べるのは反対で、条例を制定している最中です。伊那市では小水力発電、木質バイオマス、木を使ったペレット燃料、あるいは薪ストーブの使用を推進し、伊那らしい再生可能エネルギーを推進しています。
 伊那で一番古い水力発電所は約110年前から現役です。メンテナンスさえすればずっと使えますので、急峻な地形を持っている地方都市は、小水力発電を推進すると、原発や大規模太陽光発電に頼らなくても良くなるはずです。一時、伊那市でも大型風力発電施設の話が持ち上がりましたが、内陸の複雑な地形では大型風力は難しいのです。海岸沿いで風向きが一定の地域では高効率かもしれませんが、地域に合ったものを考えて展開しないとうまくいかないように思います。
 伊那市では、丸紅株式会社、中部電力株式会社、伊那市が出資する丸紅伊那みらいでんき株式会社により、地域の再生可能エネルギーを活用した多様な電力メニューを開発したり、新しいアイデアを出してもらっています。水素時代の到来に向けた動きにも注目しています。

伊那市の企業立地環境

上野:企業立地のお話も伺えればと思いますが、市内の工業団地の状況はいかがですか。

白鳥:市内には11カ所の産業団地がありますが、10カ所は分譲終了しており、伊那インター工業団地など既存産業団地の隣接地を拡張して整備を進めているところです。これらの造成にあたっては、リニア中央新幹線のトンネル工事の発生土と、国土交通省の防災・減災国土強靱化対策の一環で河川の浚渫発生土砂を活用しています。リニア工事の発生土は、遠方にもかかわらず28万立方メートルぐらい運んでいただきます。造成用の良質土を購入すると莫大な費用負担になりますが、それを無償で運んでいただけますので、企業へ質の高い用地を安価に提供することができます。
 現在造成済及び造成中の区画は4区画で、今後造成する区画及び造成を構想している区画は10区画ありますが、ありがたいことに造成前から購入申し込みをいただいている状況です。三遠南信自動車道が6年後に開通すると、浜松から伊那まで1時間強と非常に近くなるため、首都圏と中京圏のほぼ中間でリスク分散にも良い立地ということで、愛知県や岐阜県の企業がだいぶ動いています。

上野:最近ではユウキ食品株式会社、株式会社名古屋オイルレスなどが伊那市への立地を決定したそうですね。

白鳥:ユウキ食品は、コロナ禍に伴う巣ごもり需要によるガラスープの市場急拡大と、長期的には海外需要への対応も想定し、来年度中に工場建設を目指されています。自動車部品を製造する名古屋オイルレスはBCPとリスク分散で進出いただきました。他にも、テレビ東京ダイレクトのコールセンターの建設が始まっていますし、株式会社JVCケンウッドは海外展開を取りやめ、伊那市にカーナビ関係を全て集約する動きも出ています。

上野:企業誘致の一方で、既存企業に対してはどのような取り組みを行っていますか。

白鳥:外からの企業誘致はもちろん大切ですが、既存企業の流出を未然に防ぐことも重要です。
 私が民間より収入役に就任して間もない頃、伊那市内にあった会社が市外へ移転してしまったのです。社長に理由を伺ったら、残りたかったが市には土地がないと言われ、仕方なく自分で探して移転したと聞いてがっかりしました。それから企業向け用地を確保し、企業訪問や銀行あるいは立地センターや関係機関から情報を得て、少しでも動きがあればすぐに行って対処することができるようになりました。現在も新しい事業展開や工場の増設を積極的に応援しています。

上野:市長の積極的な姿勢が今に繋がってきているのですね。

白鳥:2004年9月に専門部署を設け、地道に産業立地事業に取り組んできたところ、現在までに約40万平方メートル、42区画の産業用地を整備し、35企業に提供することができました。これら雇用維持及び雇用創出による雇用全体の効果は約1,780人と分析しています。
 人口減少は税収減少でもあります。自治体は地方最大のサービス産業であり、サービス産業は人とお金がないと成り立ちません。産業立地による企業の雇用創出と税収増は、人口減少や税収対策として、持続可能な社会の形成に欠かせない重要な事業であると考えており、今後も用地を整備していきます。

伊那インター工業団地の写真
伊那インター工業団地

今後の展望

上野:最後に、実現したい市の未来像についてお聞かせいただけますか。

白鳥:持続可能、サステイナブルな地域づくりを目指しています。日本は食料もエネルギーも海外依存であり、すぐにやめることはできませんが、地方都市の私たちはそれができます。食べるものは自分たちで生産していく。森林を整備して安定的に水を得られる状態にし、工業用水・農業用水、発電に使っていく。依存の最たるエネルギーも、身近にある木質バイオマスや小水力発電といった再生可能エネルギーを使ったものに置き換えていくということを進めていきます。
 目指すのは、簡単に言えば江戸時代の藩の姿です。寺子屋や藩校で自ら教育を行い、経済も農業や新しい仕事を作るなど、藩で完結していました。その集合体が国だったので、令和の時代の藩をイメージすると分かりやすいかと思います。
 そのために足りないのは人材です。若者が残るような、都会の大学に出たとしても帰ってくるような地域づくりを進めるとともに、伊那の魅力を高めることで、Iターンで一緒に地域を作ってくれる人材を集めることが重要です。人材がいれば、製造業や産業、文化芸術、福祉医療が安心して回転していく時代になります。ベースは1次産業とエネルギー、そして人材です。
 具体的な取り組みとして、中学生を対象としたキャリア教育を行っています。市内の中学2年生と市内企業百数十社に加え、弁護士、医者など様々な職種の方も集めて話をしたり企業を紹介したりする「伊那市中学生キャリアフェス」を開催して、自分が将来どんなことをしたいのかを中学2年生のうちにおぼろげながらもイメージしてもらいます。今年で7年目、昨年はオンライン開催になりましたが、参加した子どもたちが将来帰ってくる気になったら良いなと思います。
 働く場所があれば人材は集まるので、経営者協会とは、特に女性が働ける企業や場所をもっと作るよう話しています。

上野:国レベルでは無理でも市ならできる先端の取り組みに感銘を受けました。パイロットケースとして全国に普及していくことを期待しています。

白鳥:「日本を支える地方都市」が私たちの合言葉です。技術を駆使して、時流にかなったものを導入していきます。今後、地方創生拠点整備交付金を使って信州大学農学部の横にサイエンスパークをつくり、農業・林業を中心としたインキュベーションや、民間企業と共同出資での研究を行う予定です。

上野:私どもは地域のイノベーション支援にも取り組んでおりますので、またお手伝いできる機会があれば嬉しく思います。本日はありがとうございました。

(文責:編集部)

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