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食料・水・エネルギーを賄える都市

更新日:2020年9月30日

 昨年の10月12日に2日に日本列島を襲った台風19号は、東日本一帯に甚大な被害をもたらしました。千曲川や阿武隈川の決壊もあり、死者もでて、また家屋の浸水、倒壊があり、この恐ろしい台風19号は「令和元年東日本台風」と呼ばれました。この19号の1ヶ月ほど前の9月上旬にも巨大な台風15号が千葉県を中心に関東、房総半島一帯に未曽有の災害をおよぼしました。最大風速が47m/s~58m/sと、巨大な風により多くの家屋の屋根が飛ばされました。ゴルフ練習場の鉄柱が倒れた時の台風です。15号は「令和元年房総半島台風」と命名されました。
 ここ数年、日本を襲う台風や集中豪雨などの自然災害が巨大化しています。台風19号の気圧は上陸時に955ヘクトパスカルと恐ろしいほど低く、しかも上陸してもノロノロ台風でした。この極端に遅いスピードのために長時間にわたって大雨をもたらしたのです。原因は日本列島上空のジェット気流(偏西風)が北上してしまったため、日本列島に上陸した台風がジェット気流に乗ってスピードを上げられないからです。今後もこの傾向は変わらず危険は続くと見られています。
 世界的に見ても自然災害は巨大化、狂暴化しています。インドを襲った干ばつ、カナダやアメリカの森林火災、とりわけ愛らしいコアラやカンガルーが多く焼け死んだオーストラリアの森林火災も記憶に新しいと思います。南極や北極の氷が解け海水面が上昇し、ヒマラヤやアルプスの氷河も解けて無くなってきているなどの話もよく耳にします。そしてこれらの原因は「地球温暖化」です。すでに地球温暖化に伴う気候変動があまりに極端に進み、人知の及ばぬところまで来てしまっています。地球温暖化の原因は、言わずもがな「際限なく放出され続けている二酸化炭素・CO2」で、地球全体の気温上昇を招いているのです。地球が悲鳴を上げ、危殆きたいに瀕しているにも関わらず積極的な対応をとらない国は、中国を筆頭にアメリカ・ロシア・インドなどの大国に加え、日本・韓国・ドイツ・イラン・カナダなどの国々が続きます。
 二酸化炭素(CO2)排出の原因は、化石燃料の消費にあります。化石燃料は石炭・石油・天然ガスなどを指し、18世紀半ばにイギリスから始まった「産業革命」がそもそもの地球温暖化のスタートであったと言えます。蒸気機関は動力に石炭をバンバン燃やし、大量の製鉄を生産し、交通には蒸気機関車や蒸気船を動かして、まさに人類の生活に一大革命をもたらしたのです。産業革命から今日までおよそ250年間、地球の奥深く眠っている資源を探しまくり、石炭・石油・天然ガスを掘り進んできました。そして化石燃料が限りあるものと認識してからも、可採年数を仮定してからも、さらなる資源探査を海底にまで広げて際限なく利用し続けています。
 CO2の排出が激増することによって地球の気温上昇、海水温の上昇、大気汚染、環境破壊と負の連鎖は留まることを知らず、地球環境は窮迫きゅうはくの状態にあると言ってもいいでしょう。そろそろ臨界点に達しようとしているとも言えます。加えて石油から生まれたプラスチックは、様々なものに形を変えて私たちの生活のなかに浸透し続けてきました。私はこの事を否定するものではありませんが、そろそろ、プラスチックにかわるものがあれば、使用をやめる行動が求められています。例えばプラスチック製のコップ、スプーン、容器はガラスや陶器、木製の代替品があります。北欧のフィンランド共和国では、代替品のあるプラスチック製品の使用禁止を2020年から法律を作って進めています。同じくこの国では、2029年までに石炭の使用を禁止し、2035年までには、石炭・石油などの化石燃料は使用できない政策を国の指導で着々と進めています。たった550万人の人口の北欧の小国が、CO2削減と言う世界の先端を走っているわけです。
 今、この時点でも日本や世界では、石炭や石油などの化石燃料による火力発電が稼働し、産業用の電気も一般家庭用の電気も含めてCO2を排出し続けています。因みに日本の石油消費額は、年間6兆円とも言われています。これを日額換算すると、毎日165億円が海外の石油産出国に支払われていることになります。この一部を私たちの身近なエネルギーに置き換えることができれば、経済は地域内で循環することになります。
 さて、私たちの暮らしている現代において、地球温暖化とCO2削減に対する行動は当然重要ですが、一方では世界と密接につながっている経済や産業を考えると、いきなり脱化石燃料や脱プラスチックなどの方向に舵を切ることは難しいことも理解しています。地球温暖化にブレーキをかける取り組みは、ろんたない焦眉しょうびの急務とわかっていても、化石燃料を劇的に削減する効果的な糸口はなかなか見出すことができません。
 しかしこのことは待ったなし!ささやかな取り組みでも、小さく僅かであっても、自分たちでできる行動として「伊那から減らそうCO2!」をキャッチフレーズに次のことを始めることにしました。地方都市、伊那市からの確実な歩みです。

経木の復活

 経木の復活です。経木はかつて菓子、肉、魚、赤飯などを包む際に使われた薄い包装材でアカマツを薄く削って作りました。経木を懐かしく思い浮かべる方も多いと思います。経木の厚さはおよそ0.2mm、幅15cmで長さが50cmほどの土に帰る天然素材です。伊那市では消えゆく木の文化復活の狼煙をあげました。古くて新しい経木は、伊那のアカマツを原料として作られるのが高級品と言われています。経木の生産事業は少なく、全国には10人ほどしかいないと言われています。長野県内には信州新町の山岸さんただ一人です。何とか伊那市から復活したいと考え、昨年から伊那市内で経木の生産がはじまりました。今後は飲食店、スーパー、納豆製造などで使用していただき、プラスチックトレーや化学製品の包装からの脱却を図っていきます。

経木の写真

脱レジ袋

 脱レジ袋は近頃のスーパーでは大分浸透してきました。私も買い物をするときには布製の買い物袋を持参しています。ところがコンビニエンスストアでは、企業の経営方針からか、買い物袋は使われていません。どこのコンビニもレジ袋を使用しています。7月1日からはコンビニをはじめとする全ての店では、レジ袋が有料となる法律が施行されました。漸く脱レジ袋の時代が訪れたのです。伊那市では、コンビニなどでちょっとした買い物をするときに使用できるエコバックを希望者に無料で配布することにしました。レジ袋は、一説には国民一人当たり年間450枚使用されているとのことですから、日本全体では300億枚~400億枚もの恐ろしい数のレジ袋が使われ、そして使用後はゴミとなっているわけです。

エコバックの写真

再生可能エネルギー

 再生可能エネルギーの活用は、クリーンな循環型エネルギーとして、小水力発電、薪・ペレットなどの木質バイオマスを生活に取り込む運動です。水力発電は水利権の問題はあるものの、伊那市には急流河川が多く地形的にも水力発電は適しています。伊那谷で最も古い小黒発電所は、105年以上も現役で稼働している発電施設です。また、伊那市の薪ストーブとペレットストーブの普及率は全国一と言われ、豊富な森林資源を活用して地域のエネルギーを賄っています。最近は灯油や重油に代わるボイラーとしてのペレットボイラーが、保育園の給食施設や暖房、小中学校の給食施設、老健施設や市の温泉施設、トマト・イチゴなどの農業用ハウスなどで活躍しています。豊富な水と地形を活かした水力発電と、アカマツとカラマツの間伐材を原料としたペレット、広葉樹も針葉樹も幅広く使える薪などが、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換の旗手として、伊那市のエネルギーを賄っているのです。

薪ストーブの写真

LED化

 次はLED化です。LEDとは発光ダイオードを指します。従来の白熱灯や蛍光灯に比べ、はるかに省電力でしかも長寿命という特徴を持っています。伊那市では学校などの照明や支所・公民館などの公共施設の照明は計画的にLEDに置き換えています。一般家庭でも積極的にLEDを導入していただきたいと思います。最近では、防犯灯や24時間365日稼働し続ける交通信号機はLEDに変わっています。

50年の森林ビジョン

 50年の森林ビジョンは、伊那市の面積の82%を占める森林資源を活用し、富と雇用を創出する息の長い取り組みです。伊那市の森林の多くは昭和40年台を中心にカラマツやヒノキなどが植林されました。すでに50年以上がたち伐期を越え、CO2の吸収率が減ってきていますので、順次更新しなければなりません。CO2を吸収して酸素を排出する役割・災害防止・木材利用・環境保全・水の涵養など多面的な機能を持つ森林を循環させる活動が伊那市では始まっています。

森の写真

 その他にも、食品ロスの提言(生ゴミを減らす取り組み)、エコロジーな自転車を生活の中に取り込む運動、上伊那クリーンセンターにおけるゴミ発電、公共施設や一般家庭への太陽熱や太陽光発電の導入など、低炭素社会の実現に向けて数多くの実践が展開されています。伊那市の目標値は25%。これは、伊那市内の一般家庭のCO2総排出量のうち25%は、令和7年までに再生可能エネルギーに置き換えようとするものです。期間は平成28年から10年間のですから、あと6年で到達年限がやってきます。令和2年現在は、19%まで数字が上がってきています。もちろん25%を達成したら、次は50%の目標を立てるつもりです。
 地球温暖化の対策と行動は具体的かつ効果的でなければなりません。そして息の長い運動として市民総出で取り組まなければなりません。CO2削減は待ったなしの喫緊の課題です。国や県に行動を求めることも必要ですが、私たちができることを確実に実行していく市民レベルの行動が大切です。「伊那から減らそうCO2!」、およそ250年前に始まった産業革命前の時代に、気候変動の時計を巻き戻す取り組みを市民の皆様とともに行いたいと思います。

「清流」 まほら伊那市民大学 令和元年度修了記念文集 掲載

                              伊那市長 白鳥孝

植林をする親子の写真

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