令和7年9月議会定例会あいさつ
ページID:614201519
更新日:2025年9月1日
本日は、令和7年9月市議会定例会をお願いいたしましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜り誠にありがとうございます。開会にあたりまして、一言ごあいさつ申し上げます。
今年の夏は、全国的に大変な猛暑となっており、二十四節気の一つ「処暑」を過ぎたものの、日中の気温は35度を超える暑さが続いております。熱中症への注意が必要な残暑となっており、農作物の高温障害も懸念される中で、8月22日には、箕輪町の天竜川に設置されていますゴム製の取水堰「三日町頭首工」が破損し、下流の農地への農業用水が供給できない事態が発生しました。
影響を受ける農家の皆様にとりまして、大変心配される状況となりましたが、国土交通省と農林水産省が極めて迅速に取水のためのポンプ車を派遣していただき、早期に仮復旧が実現する運びとなりました。これも、かねてから関係省庁との連携を密にとってきた結果であり、国土交通省・農林水産省に感謝を申し上げるとともに、今後も良好な関係の構築に努めてまいりたいと考えております。
8月14日と15日には、旧伊那市地域におきまして「二十歳のつどい」が開催され、未来を担う若者、約440人が出席しました。私からは、ビデオメッセージを通じて、伊那市が推進している子育て環境の整備や企業誘致の取組み、また、高校再編に伴う新しいまちづくりなどを紹介し、誰もが安心して暮らし続けられる、日本を支える夢のある伊那市を共に創っていただけるよう語りかけました。これからも多くの若者が、ふるさとに夢や誇りを持つことができるまちづくりに取り組んでいきたいと考えております。
さて、依然として人の東京一極集中とモノの海外依存が進む中、気候変動や環境汚染、経済格差など社会の歪みが顕在化し、「豊かさとは何か」という問いをあらためて見つめ直す時代が到来しています。こうした状況を重大な政策課題と捉える中で、8月21日には、伊那市ブランディングアドバイザーの柘植伊佐夫さんや、まちづくり事業を活動面から支えていただいている地域人材の皆さんにもご出席をいただき、伊那市のブランドスローガン「森といきる 伊那市」の政策発表を行いました。
本日の議会全員協議会でもご説明をさせていただきますが、「森といきる」とは、森や自然の営みに畏敬の念をもって自ら学び、その過程において生み出される人と人との対話や自然とのつながりを基盤に据えながら、市民としての誇りや自信、そしてこの地で暮らし続ける信念を持って、伊那の森と学びが育む文化や風土などを、次の時代へとつないでいくことであります。今後も、独自のアイデンティティを明確にしつつ、森のように多様な主体が共生し、循環し、豊かさを生み出す、そんな伊那市ならではの地域づくりを進めてまいります。
昨日8月31日には、地域の災害対応力の向上や「逃げ遅れゼロを目指す体制づくり」を目的とし、美篶地区を主会場とする「伊那市総合防災訓練」を実施いたしました。美篶地区におかれましては、防災に関連した運動会、「美篶防災スポーツフェスタ」を同時開催いただき、地域にお住いの皆様が参加しやすい防災訓練となるように工夫していただきました。これから台風シーズンとなりますので、市民の皆様には、あらためて災害への備えにご留意いただきますようお願いいたします。
続きまして、本定例会に提案しております一般会計の補正予算の概要につきまして、ご説明申し上げます。一般会計の第4回補正予算として7,290万円の減額をお願いし、予算総額を380億4,420万円とするものでございます。長引く物価高騰の影響を受けている市外在住の学生等が伊那市へ帰省する際の交通費に対して支援するほか、本年度も国の交付金を活用しまして、燃料価格や電気料金高騰の影響を受けている施設園芸農家、水利組合等に向けた支援を考えております。また、新型コロナワクチン定期接種や若宮団地既存住宅リフォーム工事など、事業の見直しにより減額した事業もございます。そのほか、特別会計、企業会計の補正予算を提案しておりますので、この後、具体的に説明させていただきます。
また、監査委員に13会計の令和6年度決算認定審査をお願いいたしました。令和6年度においては、伊那市の新たなまちづくりの取組みを始めるとともに、物価高騰対策などを進めながらも、財政健全化プログラム等の推進により、市の財政状況は健全な状態を維持することができております。
具体的に、地方公共団体の主な財政健全化判断比率のうち、実質公債費比率は、令和5年度決算と比較して0.4パーセント上昇し「7.2パーセント」となりました。これは、下水道事業会計における企業債償還の財源として、制度的に可能となりました資本費平準化債の借入れを行ったことなどから微増となりましたが、早期健全化基準の25パーセントを大きく下回っております。また、将来負担比率は、前年度同様の「数値なし」を維持しております。
引き続き、歳出の削減を図り、公平な負担と安定した財源確保に向けた未収金の解消を推進し、また、市債に関しては「返すより多く借りない」の方針のもと、繰上償還による市債残高の減少を図り、今後も健全な財政状況を維持するよう努めて参ります。
また、平成17年度の決算で16億8,000万円でありました伊那市全体の未収金は、第6次徴収対策プログラムに取り組んだ結果、令和6年度決算では対前年比1,796万円減の1億3,190万円まで減らすことができました。今後も、公平な負担と安定した財源確保のため、未収金解消に努めてまいります。
現在、高騰を続ける物価に賃金の上昇が追いついていない状況であり、また、米国の関税政策の影響により経済情勢は決して明るくないものと考えますが、今後の動向を注視する中で、時宜を得て必要な施策に取り組んでいく所存でございます。議会におかれましても、ご理解、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
本定例会に提出いたします議案は、一般案件5件、条例案件6件、決算案件13件、予算案件5件の計29件でございます。
詳細につきましては、担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議いただき、ご議決賜りますようお願い申し上げまして、あいさつとさせていただきます。
お問い合わせ
伊那市役所 総務部 秘書広報課 広報広聴係
電話:0265-78-4111(内線2131 2132)
ファクス:0265-74-1250
メールアドレス:his@inacity.jp
