「分電盤の点検に行きます」の電話から始まる勧誘に注意 ー2024年度に急増しています-
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更新日:2025年4月1日
分電盤の点検商法に関する相談が2024年度に入り急増しています。分電盤は、内部に屋内配線の安全確保等のためのブレーカー等が内蔵されており、一般的に玄関や洗面所等に設置されています。分電盤の点検商法に関する相談件数は2024年11月末時点で2023年度同期と比べ約25倍となっており、契約当事者の約8割が70歳以上です。
相談事例では、トラブルの未然・拡大防止のため、寄せられる相談事例を紹介します。
相談事例
【事例1】不安をあおられ分電盤の交換契約をしたが、高額なのでやめたい
電話がかかってきて分電盤の点検を勧められ了承したところ、昨日業者が来訪した。分電盤を点検してすぐに「これは古いのですぐに交換しなければ漏電して火事になる」と言われた。今ままでトラブルはなかったものの、何十年も交換していなかったため、信用して約15万円の交換工事の契約を結び、前金を支払った。しかし、後からよく考えると高額ではないかと思う。工事を中止してほしい。
【事例2】電力会社の委託を受けたという業者の点検後に交換工事を契約したが、委託というのはうそだった
契約している電力会社に委託されたと言う業者から「分電盤の点検をする」と電話があった。昨日訪問してきて、点検後に「分電盤が古いので漏電する可能性もある。危険なので交換した方がいい」と言われた。漏電したら困ると思い、約23万円で契約し、数日後に工事予定だ。念のため、契約している電力会社に確認したところ「この業者は当社とは関係ない」と言われた。不審なので解約したい。
【事例3】漏電による火災は保険が下りないと言われ不安になり契約した
先月、女性から電話があり「ブレーカーの無料点検に行く」と言われて来訪を承諾した。業者が来訪してブレーカーを点検した後、「漏電などで火災になるかもしれない。漏電で火災になった場合には火災保険が下りない」と言われた。火事になったら大変だと思い、訪問した業者とブレーカーの交換工事を契約した。2日前に工事が終わり、代金約16万円を支払った。家族に話をしたところ、高額で悪質な業者ではないかと言われた。工事内容も安全なのか心配だ。
【事例4】分電盤は15年で交換することが法律で決められていると言われ契約してしまった
事業者から電話があり「無料でブレーカーの点検に行く」と言われて来訪を了承した。昨日、事業者が来訪し「ブレーカーは15年ごとに交換が必要と法律で決まっている」と言われ、15年以上経っていたので交換工事を了承した。契約金額は約16万円で工事終了後に現金で支払うことになっていた。後刻、家族に報告すると「不審だ」と言われた。解約したい。
相談事例からみる問題点
電話等で電力会社やその委託会社を名乗るなどして突然点検を持ち掛ける
業者は電話等でまず分電盤の点検を持ち掛けてきますが、点検の目的や根拠を示さない例や、最初は点検を勧めるだけで、分電盤交換の勧誘をする目的を明示していない例が多くみられます(事例1~3)。
分電盤を含む家庭用の電気設備は一般用電気工作物と位置づけられており、電力会社(一般電力配電事業者)には4年に1回以上の頻度で調査(点検)を実施することが法律で義務付けられていますが、事例の中には、電力会社やその委託会社を名乗って電話をかけてくるなど身分を偽っているものもみられます。消費者は信用して点検を依頼しますが、実際には無関係な業者であることに契約後に気づく例がみられます(事例2)。
点検後に不安にさせ分電盤交換の契約を急がせる
点検の承諾が得られ、分電盤を見た業者は、「古いので交換した方がよい」「このままだと漏電して火事になる」などと消費者の不安をあおり、その場で分電盤交換の契約を持ち掛けます(事例1、3)。専門知識のない消費者には実際の危険性や交換の必要性を判断することが難しく、不安になって冷静に検討できないまま業者の言うことを信じて契約してしまいます。しかし、後から家族に話したことなどをきっかけとして交換の必要性や金額に疑問を抱く例がみられます(事例3、4)。
分電盤交換は法律で定められている、分電盤の漏電では火災保険が下りないなどとうその説明をする
住宅用分電盤の交換時期を定めた法律はありませんが、「法律で交換が定められている」などとうその説明をしている例がみられます(事例4)。また、「火事が起きた時、漏電が原因だと火災保険がおりない」などと説明する例もみられますが(事例3)、火災保険の補償内容は保険会社によって異なります。詳細は契約している保険会社または代理店に確認が必要です。
消費者へのアドバイス
電話等で点検を持ち掛ける業者には安易に点検させないようにしましょう
電話等で点検を持ち掛けてきた業者に点検をさせると、それをきっかけに過度に不安をあおられたり、契約を急がされたりなど、業者の勧誘トークに乗せられ望まない契約を結んでしまう可能性があります。業者の方から電話等で点検を持ち掛けてきても安易に応じず、周囲の人に相談したり、業者を調べたりして慎重に対応しましょう。なお、法定点検の場合には調査員証の携帯が義務付けられているので、必ず調査員証の提示を求めましょう。
点検させたとしてもその場では契約せず、十分に比較・検討しましょう
点検の結果、分電盤やブレーカーの交換が必要といわれても、その業者の話だけを聞いてその場ですぐに契約しないようにしましょう。分電盤の状況を確認したい場合には、管轄の電力会社(一般送配電事業者)等、地域の電気工事業工業組合等に相談しましょう。分電盤の交換を検討する場合は、複数の業者に見積もりを取り、機能や価格を十分に確認した上で契約しましょう。
クーリング・オフ等ができる場合もあります
点検するために訪問した業者と契約してしまった場合でも、特定商取引法上の訪問販売に該当する場合は、契約書面を受け取った日から8日以内であればクーリング・オフできます。本来望んでいない契約をしてしまったなどの場合には、速やかにクーリング・オフを書面または電磁的方法(メールなど)により通知しましょう。また、クーリング・オフ期間を過ぎてしまっても解約できる場合もあります。
4年に1回の無料法定点検について日頃から確認しておきましょう
4年に1回の法定点検は無料であり、調査員証を携帯した登録調査機関の調査員が点検を行います。点検を受ける場合は事前に法定点検に関する周知の有無を確認し、相手の所属や点検の目的・根拠を示してもらいましょう。法定点検では、点検後に調査員が工事の契約を持ち掛けることはありません。なお、点検時に住人が不在の場合や屋内の点検を断ってしまった場合には、屋内にある分電盤等の点検は行われず、屋外のみの点検となってしまいますので、注意が必要です。分電盤は経年劣化により故障する可能性があり、故障のしかたによっては、火事等の大きな事故につながるおそれがあります。まずは法定点検をきちんと受けましょう。すでに長期間使用しており、経年劣化が心配な場合には、電力会社(一般送配電事業者)等、地域の電気工事業工業組合等に相談しましょう。分電盤の交換は、電気工事士の資格が必要な工事ですので、信用できる業者に依頼することが大切です。
注記:この情報は「国民生活センターからの報道発表資料」を参考にしています。
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