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たき火通信 其の五十九

ページID:924863358

更新日:2015年6月1日

土砂災害への備え

 昨年の長野県は自然災害が多発しました。2月には2週連続の大雪、7月には南木曽町(なぎそまち)の土石流、9月は御嶽山の大噴火、さらに11月に神城断層(かみしろだんそう)地震と、連続した災害にこれほど自然の恐ろしさを感じたことはなかったかと思います。南木曽町の梨子沢(なしざわ)川の土石流災害では、男子中学生が亡くなってしまいました。発災後まもなくして南木曽町にお見舞いに伺いました。現地で見る土石流跡の惨状は、南木曽町役場のすぐそばまで広がっていて、夥(おびただ)しい岩と土砂、流木(りゅうぼく)は木曽川まで達していました。田畑は埋まり、家は壊れ、車は潰され、橋の上まで岩と砂が溜り、それは凄まじい光景でした。
 この見舞いの際に聞いたのが、氾濫した梨子沢川上流の砂防堰堤(えんてい)の話です。ここで大量の土砂と岩を捕捉したので、下流の被害はさらに大きくならなかったというものでした。役場の近くには小学校、保育園、住宅が集まっています。いわば町の中心部です。捕捉したのは梨子沢第2砂防堰堤(国)と第1砂防堰堤(国)、それに梨子沢砂防堰堤(県)でした。下流域に達した堆積土砂の倍近い量を、この3つの砂防堰堤でくい止めていたのです。平成25年に起きた伊豆大島の土石流災害でも、砂防堰堤の入っている沢と、そうでない沢では被害の明暗が分かれています。伊那市では平成18年に発生した西春近前沢川の土石流は、幸運にも中央自動車道の盛り土が止めてくれました。
 人知(じんち)の及ばないような自然災害でも、ある程度は備えをすることはできます。明らかに危険な場所には行かない、住まない。危険を察知したら安全に避難する。先人の経験と知恵に学ぶ。日頃から地域でも訓練と確認を繰り返す。そして砂防堰堤のような構造物に加え、森林づくりもセットにして流域全体を強くしていく。こうした取り組みと備えが安心に繋(つな)がっていくことだと思います。
 平成27年6月 白鳥 孝

鋼製スリットダムA型(三峰川上流)
鋼製スリットダムA型(三峰川上流にあって、高さは2メートル以上。ここで土石流、流木を止める。)

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