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たき火通信 其の三十一

更新日:2014年10月1日


初空の誇らしげな風景です

でえもんじ

冬晴れの空に青・赤・黄色・緑・紫と、鮮やかな色紙袋が揺れています。「でえもんじ(大文字)」という、西箕輪上戸(あがっと)地区の小正月の風景です。袋の中には籾殻(もみがら)が入っていて、大人のこぶしほどの大きさでしょうか。地区の女性たちを中心に作りますが、縫い目はすべて右巻きで、左巻きはきつく禁止されています(現在はそうでもないようです)。元禄(げんろく)時代からと言い伝えられていますから、300年以上も前から伝わる伝統行事です。長さ12mほどの柱に、酒樽(さかだる)・青竹・色紙花・色紙袋・御幣(ごへい)を結びつけて、小正月の1月14日夜明け前に上戸地区の中心部、三ツ辻(みつつじ)に各戸から男衆が集まって建てます。「でえもんじ」には、厄払い(やくばらい)と五穀豊穣祈願(ごこくほうじょうきがん)が込められています。厄落としのほかにも、悪病が村に入ることを防いだり、家内安全や縁結びなども込められているかもしれません。今日のような生活様式のなかでは、こうした伝統行事や伝統芸能、民間信仰などは失われがちですが、上戸地区に伝わる「でえもんじ」は、いつまでも伝えていって欲しいものです。そして、1月20日の早朝に「でえもんじ」を倒し、色紙袋や色紙花などの飾り物はそれぞれ家に持ち帰ります。色紙袋は神棚に、色紙花は玄関先に供えます。前年の飾り物は「どんど焼き」で燃やしますから、上戸地区のどんど焼きは1月20日過ぎとなります。私が小学生だった頃、学校の行き帰りにわざわざ回り道をして、「でえもんじ」を見るのが楽しみでした。下校時の夕方にはあったのに、翌朝登校するときにはすっかりなくなっているのが不思議・不思議だったことを思い出します。

平成25年1月 白鳥 孝

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