伊那市

たき火通信 其の百十三

更新日:2020年1月1日

小学生たちの大発見

ロマンをかきたてる1号古墳の画像 ロマンをかきたてる1号古墳

 老松場古墳群(ろうしょうばこふんぐん)は、伊那市東春近中組(なかぐみ)にあります。東春近小学校の 東側の段丘崖の上のあたりです。古墳の数は1号墳から7号墳まで の大小7基の古墳群で、今回は1号墳を中心にお話します。古墳時代 は古代を指しますが、縄文時代・弥生時代に続く次の時代が古墳時 代と解釈するのが分かり易いかもしれません。伊那市内にはいくつ もの古墳があります。なかでも最も多く集中しているのが、この東春 近老松場古墳群と本城(ほんじょう)古墳群、福島と上牧の古墳群です。  
 平成27年の冬、中組のおじさん達が小さい頃に遊んだ老松場は、 木が大きくなり見通しが利かず、藪が生い茂り、松枯れが進むのを憂 い、何とかしようと整備委員会を作り立ち上がりました。そして、間伐 をして丸太ベンチを造り、ウッドチップを敷き、明るくなった老松場 には近くの小学生たちも訪れるようになりました。東春近小学校の 児童達です。いつも老松場古墳群の公園で遊んでいるうちに、「1号 墳は、もしかしたら前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)ではないか?」との疑問を持ちまし た。6年生たちの気づきの瞬間です。さっそく大人の力を借りて測量 調査が始まりました。その結果、従来の学説では円墳(えんふん)または双円墳(そうえんふん)と されていた1号墳は、前方後円墳である可能性が高まりました。もし そうであれば、南信では2例目の前方後円墳となります。  
 伊那市では子どもたちの発見と調査をさらに専門的な研究機関 で調査するために、関西大学文学部考古学研究室に依頼しました。 調査は1次調査・2次調査・3次調査と進み、研究室の出した結論 は、前方後円墳に間違いなく、しかも4世紀末から5世紀初頭のもの で、南信地方でも最も古い可能性が高いとの結論です。もしかした ら大和朝廷(王権(おうけん))と東春近にいた豪族が繋がっていたかもしれない と言います。 古墳の表土を丁寧に取り除くと、そこにはびっしりと敷かれた 「葺石(ふきいし)」が出てきました。おそらく天竜川の河原から、多くの古代 人達が運んできたものでしょう。古墳に敷く石をどんな気持ちで 運んできたのか。老松場の高台に立って天竜河原を望むと、壮大 な時間を遡って人々の営みが見えてくる気がします。

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