伊那市

たき火通信 其の七十九

更新日:2017年2月1日

小僧泣かせの山

 冬至を過ぎると少しずつ日脚(ひあし)が伸びてきます。その頃は午後4時半頃には日が沈み、夕方の伊那谷に日が陰る様を西箕輪の我が家から見ていると、最後まで日のあたっているところは手良あたりです。その他のところは南アルプスの高山を除いてすっかり陰っています。ところがよく見てみると、不思議なことに西箕輪羽広(はびろ)あたりだけには落日の斜陽が残り、中央アルプスの経ヶ岳(きょうがたけ)山頂付近の南面にも暖かそうな残照があたっています。
 経ヶ岳は標高2,296メートルの山です。西箕輪羽広にある天台宗羽広山仲仙寺(ちゅうせんじ)が登山口です。平安時代慈覚大師(じかくだいし)が開祖と伝えられ、十一面観音を彫り、経ヶ岳にお経を書いて奉納したとされています。急な登山道を登ること2時間30分ほどで展望の開けた蔵鹿の頭(ぞうろくのかしら)に着き、いったん下ってから急登して「望郷(ぼうきょう)の碑」のある無名のピークになります。経ヶ岳の山頂はさらにこの先となります。黒沢山の分岐点から奥の院、大泉山を経て約1時間30分でようやく経ヶ岳頂上になります。秋から晩秋にかけて地元の子どもたちが経ヶ岳あたりまでキノコやヤマブドウ、アケビなど求めて遊びに行きます。蔵鹿の頭や無名のピーク、奥の院などのピークがいくつも現れるので、頂上はまだかまだかと、山がまだ明るいのをいいことにどんどん登ってしまいます。そして気がつくと、つるべ落としの闇が一気にやってくるのです。経ヶ岳が地元で「小僧泣かせの山」と言われる所以(ゆえん)です。
 西箕輪小学校と西箕輪中学校は、校歌も校章もほぼ同じです。そして校章のデザインは3枚の桑の葉の脇に左右それぞれ山が描かれています。私はてっきり西駒ヶ岳(木曽駒ヶ岳)と仙丈ヶ岳とばかり信じていましたが、向かって右が経ヶ岳、左が西駒ヶ岳と知ったのは随分後のことです。経ヶ岳は地元の人々にはとても親しまれている山なのです。
 平成29年2月 白鳥 孝

経ヶ岳の山頂あたりに残る夕陽(写真) 経ヶ岳の山頂あたりに残る夕陽

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