伊那市

たき火通信 其の百十一

更新日:2020年3月4日

救世主の経木(きょうぎ)

きょうぎの写真 救世主の再登板

 私たちの住む上伊那地域はアカマツの大生産地です。里山から奥山にかけて分布しています。上伊那産のアカマツは「伊那まつ」と呼ばれ、特別なブランド品として取り扱われてきました。神社仏閣・一般家屋の建築材はもちろん、蔵に使われる虹梁、陶芸の登り窯の薪、古くは松明や炭など、そして近年はフローリング材として人気があります。アカマツは昔から私たちの生活に深く関わりを持ってきました。
 「経木」を知っているのは、私たち世代から上の皆さんでしょうか。アカマツを紙のように薄く削り(突くとも言います)、記憶では肉屋さんで肉を包み、和菓子屋さんで饅頭を包み、赤飯なども経木で包んでありました。すし屋の持ち帰りの土産も弁当の入れ物もアカマツでできた折り箱でした。「くるむ」、「つつむ」、「むすぶ」のも自然素材でしたが、時代とともにプラスチックやビニール、レジ袋に取って代わり、経木の時代は過去のものとして消えてしまいました。
 伊那市は「脱プラスチック」、「伊那から減らそうCO2」、「自然エネルギーのまち」の実現に向け、市民総参加で環境負荷を減らす努力をしています。「伊那市50年の森林ビジョン」と「ソーシャル・フォレストリー都市宣言」の取り組みです。かつては市内には「経木屋さん」として経木を生業や副業とする皆さんがいました。アカマツの枝と枝との間にある素性の良いところを材料として、厚さ0.18~0.2mm、幅12~15cm、長さ45~50cmほどに薄く削ります。それを乾燥させ、魚屋・肉屋・菓子屋などの市場で流通していました。経木は間伐で切り捨てられたアカマツ材を有効活用し、言わばプラスチックごみ削減の旗手として再び登場しました。令和の時代にもう一度、古き良き時代の生活スタイルを復活させ、地球温暖化や脱プラスチック、脱マイクロプラスチック、レジ袋などを考える機会にしようと考えています。木を薄く加工して包装に使う生活スタイル、割り箸もスプーンもストローもBBQのお皿もスーパーの器までも伊那産材に代え、日本の優しい文化を世界に発信する時代が訪れたのです。

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