たき火通信 其の六十四
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更新日:2015年11月1日
内藤とうがらし
新宿区の老舗デパート伊勢丹(いせたん)に行った知人から、「新宿内藤とうがらしフェア」のチラシをいただきました。内藤とうがらしを使った明太子、とうがらし入りごぼう揚げ、瓶詰(びんづめ)の生とうがらしの写真が載っています。伊那市と友好都市の東京都新宿区の有名デパートで、高遠藩下屋敷の内藤新宿(現在の新宿御苑を中心とした一帯)のご縁から、内藤の冠(かんむり)のつく商品が売られているのが、大層嬉しくなりました。
「江戸野菜」または「江戸東京野菜」と呼ばれるものがあります。例えば、大根であれば「練馬大根」や「亀戸大根」、生姜(しょうが)は「谷中生姜」、葱(ねぎ)は「千住葱」、茄子(なす)は「目黒茄子」、筍(たけのこ)も「目黒の筍」・・・・これらは古くから栽培されてきた「江戸野菜」と称される、今の東京周辺で伝統的に生産されてきた野菜です。なかでも「内藤とうがらし」や「内藤かぼちゃ」はつとに知られた野菜で、江戸時代には内藤家の下屋敷周辺で盛んに栽培されたようです。新宿区四谷あたりでは、秋になると辺りが真っ赤にそまるほどの見事さであったと伝えられます。
内藤とうがらしはナス科の「八房(やつふさ)とうがらし」といわれる品種です。こどもの小指ほどの果実が一本の茎から上に向かって8から9本ほどつきます。調味料や焼きとうがらしとして江戸から全国に広まっていきました。
友好都市新宿では、「内藤とうがらしプロジェクト」として、その伝統野菜復活と活用の取り組みが始まっています。七味や一味といった一般的な活用に加えて、辛子明太子(からしめんたいこ)、チョコレート、パスタ、ピザ、混ぜご飯とその分野は際限なく広がっています。伊那市でも高遠版「内藤とうがらしプロジェクト」が動き出しました。徳川家と内藤家、東京都新宿区と伊那市高遠町、時代を超えて地域を紡(つむ)ぐ小さくてもピリリと辛い野菜のつながりです。
平成27年11月 白鳥 孝
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