たき火通信 其の百五十四
ページID:256140027
更新日:2023年6月21日
植物大好き少年の誕生
バイカオウレン
牧野博士がこよなく愛した花・バイカオウレン
NHKの朝ドラ「らんまん」は、植物学者・植物分類学の父といわれる、牧野富太郎が主人公です。牧野博士は生涯に50万種もの標本と記録、2,500種以上の植物に命名し、名前を与えたと言われています。
私も植物が大好きで、小学生の頃から植物図鑑を眺めて名前を覚え、ブリキでできたドウランを肩から掛けて植物採取をしては、標本づくりをして過ごすような少年でした。では、白鳥少年はどうして植物が好きになったかお話をしましょう。
小学5年生のある時、我が家の周りの草原で、年下の二人の従弟妹が話していました。「これはシロツメクサだよ」、「赤い花のアカツメクサはヨーロッパから入ってきているのよ」と。そして、「孝兄ちゃんも知っている?」と聞かれ、耳が真っ赤になったことに始まります。それから図書館に通い、小遣いを貯めて植物図鑑を買い、猛烈に植物の勉強を始めたのです。
植物図鑑に載っていない草花があると、図書館に行って調べ、それでもわからないと担任の先生に聞き、担任も分からないと理科の先生に繋いでくれて、理科の先生も「うーん?」と唸ると、「どうやら僕は新種の植物を発見したかもしれない」などと勘違いしたものでした。オキナグサ、フユノハナワラビ、エンビセンノウなどを採取しては、うるさい程質問するうちに「孝君の家の近くに植物にとても詳しい有賀進先生がいるから、わからない植物を見つけたらそこへ行って聞いてみなさい」と言われました。
春、さっそくノビルのような葉に、小さなユリのような花をつけた植物を有賀先生の所に持ち込みました。「先生、これは何ていう植物ですか?」、「孝君、これはアマナといってユリ科の植物だよ。珍しい植物をよく見つけたね」と眼鏡の向こうから優しいまなざしで話してくれます。「これはヘラオオバコで、外来植物だよ」、いつも縁側に腰を掛けて、飽きずに白鳥少年の持ち込む植物の解説をしてくれたものでした。「孝君、駒ヶ岳のような高い山には、ここら辺では見たこともない珍しい高山植物があるんだ」。
中学生になると、私は高山植物の図鑑を眺める少年になっていました。
お問い合わせ
伊那市役所 総務部 秘書広報課 広報広聴係
電話:0265-78-4111(内線2131 2132)
ファクス:0265-74-1250
メールアドレス:his@inacity.jp