たき火通信 其の八十三
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更新日:2017年6月1日
ツバメの恩返し
今年もツバメがやってきました。4月4日の朝、出勤のときにチィチィロリ、ピチュー・ピチューの声に見上げると、ガレージ天井の梁(はり)に2羽のツバメがとまっていました。
ツバメは夏鳥で、台湾・フィリピン・ボルネオ・ジャワ島などで越冬し、春から秋にかけて日本で繁殖します。巣はお椀状(わんじょう)で、泥と草を唾液(だえき)で固めて造られています。カラスやネコなどの外敵から身を守るかのように、人家の軒下や家の壁などに営巣(えいそう)します。
我が家のガレージはツバメがやってくると駐車ができなくなります。理由(わけ)は雛(ひな)が孵(かえ)ると何十羽となるツバメたちの夥(おびただ)しい糞(ふん)から逃れるためです。現在ガレージには昨年の巣も含めて7個あり、使用中のものが2世帯、これから次第に増えていきます。
以前こんな不思議なことがありました。私の寝ている部屋は2階で東側には少し広めのベランダがあります。6月のある朝、と言っても日の昇る前の時間でした。窓ガラスにバサンと何かが当たる音がしました。ウトウトしていると、その音は繰り返し続きます。カーテンをそっとあけると、窓のすぐ向こう、私から50センチメートルほどのところに一羽のツバメがジッと私を見ていました。私と目のあったツバメは、再びガラスにぶつかってきます。不思議に思いサッシを開けると、ツバメは逃げもせず、巣のある方向へゆっくり歩いて行っては再び戻り、鳴きながら何度も繰り返しています。明らかに私の気を引くような行動です。寝ぼけた頭で何事かと考えたとき、「もしかしたら雛が巣から落ちて、助けてほしいと言っているのではないか?」と考えたのです。家内に話すと「そんなばかなことはありえない」と一笑です。それでもと、ガレージに行ってみると果たせるかな、巣の下に雛が一羽落ちてバタバタともがいています。親ツバメは子ツバメを巣に戻してほしいと頻(しき)りに私の周りを飛び回ります。「ツバメの恩返し」はありませんでしたが、まんが日本昔話のような本当にあったツバメの話です。
平成29年6月 白鳥 孝
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