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たき火通信 其の百四十八

ページID:992490475

更新日:2022年12月21日

野沢菜漬け


ごはんにもお酒にも合う切り漬け

小学校の頃、野沢菜を漬ける作業は、北風の吹き始める冬、畑の無尽蔵にも見える膨大な野沢菜をひと株ずつ包丁で収穫するところから始まりました。縄で束にして耕運機の荷台に積んで家に持ち帰ります。「お菜洗い」は、家の横の小さな小川で土を洗い落としてから、水道水で丁寧に洗いましたが、時に小雪の舞うような年もあり、ともかく冷たく寒い、根気と言うより我慢の作業だった記憶です。「もっと暖かい頃に漬ければ楽なのに」と言うと、「菜っ葉なっぱは、何度か霜に当たらなければ柔らかくならないから」と一言。しかも木製の大きな漬け物桶は、一つだけではありません。「いったいこのだく・・さも・・ない・・(沢山の意)菜っ葉は誰が食べるのだ?」と問えば、「春になれば無くなる。冬を過ごすのに必要な食料だ」とにべ・・もありません。野沢菜漬けは冬の風物詩と言われるものの、子どもにとっては楽しい記憶ではありませんでした。ただ、軒下の漬け物桶から、薄く凍った氷を割って出してきた「お葉漬け」を朝ごはんと一緒に食べた味は格別でした。

そんな私がこの冬、野沢菜を漬けることになりました。樽に漬けるような本格的な「お葉漬け」ではなく、簡単な野沢菜の「切り漬け」です。発端はある料理屋の女将の美味しい漬け物でした。その店の「野沢菜の切り漬け」は絶品で、いつもお替わりをするほどでした。あるとき「作り方を教えるから自分で漬けてみたら?」と言われ、「みはらしファーム」で野沢菜を買って漬けることにしたのです。

10kgの野沢菜を刻んで桶に入れ、薄口醬油と砂糖・本みりん・酢などを用意して、教わった通りの分量で漬けこみました。3日後桶から取り出して食卓に出すと、父は何度も箸を運びます。妻も「切り漬け」を口に持っていくと美味しそうに食べます。

伊那人の遺伝子と漬け物の魅力なのだと、我が家では「切り漬け」の毎日です。いつの日か、畑に野沢菜の種を蒔いて収穫し、温かいお湯でよく洗い、昔のような我が家の「お葉漬け」の味を思い出しながら、大きな樽に漬けてみようかなと思ってみたりしています。

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伊那市役所 総務部 秘書広報課 広報広聴係

電話:0265-78-4111(内線2131 2132)

ファクス:0265-74-1250

メールアドレス:his@inacity.jp

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