たき火通信 其の九十七
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更新日:2018年10月23日
マツタケで商売
今年のマツタケはどうでしょう
9月の声を聞くと、そろそろ秋風が吹いて、赤トンボが舞い、田んぼが黄色く色づき、アルプスから紅葉が下りはじめる、伊那谷が錦秋の季節に向かう助走の始まりです。
きのこの王様マツタケの話題もそこかしこから聞こえてきます。昨年は近年まれにみる凶作の年でした。伊那ばかりか長野県内全てのマツタケ産地が壊滅的な惨状でした。それでもキノコ採りの名人や、マツタケのシロをもつ皆さんはシーズンともなればそわそわと気になって、魚篭を腰に括りつけ山に入ります。素人の私でさえ、もしかしたら、万が一に、偶然にでも、犬も歩けばの確率でマツタケに出会えるかもしれないと、期待をもって山に入ることがあります。
何年か前にマツタケが大豊作の年がありました。この時ばかりは私でもマツタケに出会うことができました。「松葉に滑って手をついたらそこにマツタケが」、「松林のなかを歩いていたら何故か大きなマツタケが落ちていて・・・」、さらに昔の話ですが「登山の帰りに栂林でマツタケの群生に出くわして下山が遅くなったり」、「もしかしたらと7月中旬に土用マツタケを探しに行ったらあるわあるわで、魚篭に入りきらなくなってシャツを脱いで背負って帰ったり」と、素人には素人なりの能力が働いて、嘘のような出来事にも遭遇することがあります。
長野県は全国のマツタケ生産量第1位です。2位の岩手県を大きく引き離してのトップです。長野県の中でも伊那産マツタケは特に有名で、新宿三越伊勢丹のデパート地下売り場や赤坂・新宿の高級日本料理店でも扱われています。三越伊勢丹では、伊那産のマツタケが1本(笠の開いていない10cmほどのマツタケ)17,000円で売られていました。しかし国産マツタケは減少の一途です。松枯れの拡大も追い打ちをかけています。標高の高いところまでアカマツの分布している伊那は、これからの時代、極めて有望なマツタケ産地として大いなる可能性を秘めています。
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