たき火通信 其の百四十三
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更新日:2022年7月27日
垂直離着陸の大型ドローン・VTOL
Ninjaと試作1号機
伊那スキーリゾートで試験飛行
本格的な夏山シーズンを前に、中央アルプス西駒山荘と南アルプス塩見小屋・仙丈小屋への荷揚げが始まりました。荷揚げはヘリコプターで手際よく、そして無駄なく効率的に運びますが、雨が降ったり霧が出たりすると飛べず、荷揚げの日程は再度調整しなければなりません。また近年はパイロットとヘリコプターの数が減り、ヘリコプターのデリバリーにはとても苦慮しているのが現状です。しかも多額のヘリ費用がかかる訳ですから、山小屋の経営者はとても頭の痛いところです。こうした現状をどのように解決するかが課題でしたが、昨今のドローン登場が救世主になるのではと期待されています。ただし30kgもあるガスボンベやガソリンなどは、現在のバッテリー式のドローンで山に運ぶことはできません。そこで伊那市では、経済産業省と川崎重工業株式会社と物資輸送のプラットフォーム構築事業を進めることにしました。目標は (1)標高3,000m以上に荷物を運ぶ (2)ペイロード(積載重量)は100kg以上 (3)航続距離は100km以上 (4)無人でプログラミングによる自律飛行などです。
川崎重工業株式会社は航空宇宙・鉄道車両・バイク・大型船舶・ロボット・プラントなど幅広い事業を展開する世界的な企業です。その川崎重工業株式会社にあって、社長直轄の事業のひとつ、無人VTOL機・K-RACER(ケイ-レーサー)を活用して進めてもらうことになりました。先日川崎重工業の橋本康彦社長と懇談する機会がありました。伊那市で進めるVTOL機がなぜ橋本社長直轄プロジェクトなのかお聞きすると、「何より社会課題の解決のための取り組みなのだ」と言います。まさにヘリコプターに代わる輸送手段が、私たちの課題解決に繋がるわけです。
川崎重工業の名車バイク「Ninja」のエンジンを搭載したK-RACERが、南アルプスと中央アルプスへ荷物を運ぶ時代はまもなくやってきます。試作機の2号機の製作も始まりました。完成すれば離島へも物資を運ぶことも、農林業や建設産業にも展開はできます。「社会に役立つ」空の産業革命が地方都市の伊那市から始まります。
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