たき火通信 其の百八十二
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更新日:2025年11月26日
ナイス連携

ポンプ車による緊急取水の様子
今年も夏の暑さは異常でした。伊那市でも36.8℃を観測し、猛暑日が続き熱中症警戒アラートが出されるなど、30℃を超える夏が常態化しています。農作物にとっても、果樹はモモの色づきが悪かったり、リンゴは日焼けを起こし小さいものが多かったり、水稲も米にヒビが入る「胴割れ」や白く濁る「乳白」の被害がでるなど高温による障害に見舞われました。
そんなさなか、8月22日の午後3時頃、箕輪町三日町の天竜川にある「三日町頭首工」の取水堰が破損し、取水ができなくなる事態が発生しました。さあ大変です。高温障害を心配して、田んぼに水を引かなければならない時期に、水が来ないと言う緊急事態が起こったのです。この三日町の頭首工は、コンクリート製の堰とは異なり、天竜川の右岸から左岸までを繋ぐ、二基のゴム製の巨大な袋状のものです。普段はこの袋体にコンプレッサーで空気を注入して膨張させ天竜川の水をせき止め、洪水時には空気を抜いて倒伏させて放流する優れた機能を持っています。今回は右岸側の袋体が何らかの原因でゴムが裂けてしまったのです。
三日町の頭首工から取水された水は、伊那市・箕輪町・南箕輪村の農家、約950名の水田約250haに供給されています。堰を管理している「上伊那郡伊那土地改良区」から伊那市に至急の連絡が入りました。担当課では緊急会議を開き、「高温障害で水が必要な田んぼに水を送らなければならない」、「修理には時間がかかるため、ポンプ車で取水するのが最善策であろう」となりました。まず国土交通省天竜川上流河川事務所と、農林水産省関東農政局にポンプ車の出動要請を行いました。3日後には国土交通省のポンプ車が、その後農水省技術支援チームのポンプ車が出動してくれました。ポンプ車2台で昼夜を問わず取水してくれたおかげで、水不足はひとまず凌ぐことができたのです。
国土交通省と農林水産省の異なる省庁が連携して行った今回の出動、農家にとってどれほど頼もしかったか、困ったときに素早く対応していただいた今回の一件は、国の出先機関があればこそできたわけで、流域治水の好事例、「ナイスプレイ」として感謝します。
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