たき火通信 其の十三
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更新日:2014年10月1日
青崩峠から遠山(長野県側)
秋葉道(あきはみち)ロマン
諏訪から杖突峠を越えて高遠町、長谷を通り、分杭峠から大鹿村、地蔵峠、遠山郷を経て青崩(あおくずれ)峠から静岡県に続く道があります。国道152号線です。この道は「秋葉道(あきはみち)」とも呼ばれ、江戸時代には火伏せの神様として、講(こう)を組んで遠州秋葉神社まで参詣していました。今でも「秋葉様」と呼ばれて、古い習わしが伝えられている地域もあるのではないでしょうか?
さて、この秋葉道、実は縄文時代からすでに人々の往還があったといわれています。縄文土器や貝塚遺跡などの出土からそのことがわかってきました。秋葉道は、世界的な断層として知られる中央構造線に沿って引かれ、太平洋から直線的に内陸を結ぶ最短ルートとなっています。江戸時代は秋葉信仰の道でしたが、南北朝時代には後醍醐(ごだいご)天皇の第5皇子、宗良(むねなが)親王が北朝側との苦しい戦いに明け暮れながら歩いた「勤王の道」であり、戦国時代になると浜松の徳川家康を撃つために甲斐の武田信玄の軍勢が通り、そして江戸時代には「秋葉道」として諏訪、伊那、高遠、飯田などの庶民が往来した参詣道であったのです。道は物資も文化も運んできました。生活に欠かせない塩や、鏃(やじり)などの材料となる黒曜石も運ばれました。歌舞伎・文楽・神楽も伝わり、華やかな都の情勢も道を繋いで伝播したことでしょう。平成の時代、私はこの悠久の古道を広域的な観光に使えないかと作戦を立てはじめています。
平成23年7月 白鳥 孝
県境の青崩峠
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