たき火通信 其の七十
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更新日:2016年5月1日
伊那市50年の森林(もり)ビジョン
伊那市の面積は東京23区よりやや広く琵琶湖より少し小さい広さで、そのうち森林の占める面積は約82パーセントの55,074ヘクタールです。里山から亜高山帯まで、西も東も見渡す限り森林です。樹種は針葉樹ではカラマツ、アカマツ、ヒノキ、スギ、ツガ、シラビソが多く、広葉樹ではミズナラやコナラのどんぐりの仲間や、カエデ、ブナ、クリ、シデ、クルミ、サクラなどです。私たちはこうした森林をみると、しっかりとした緑豊かな自然に包まれていると感じるかもしれませんが、実は毎年のように年輪を重ねて、森林の埋蔵量が増え続けながら、ほとんどの森林は「老木化」に向かっています。林業が地域の産業としての地位も低空飛行のままで、森林を活用した地域経済への貢献も先が見えない状況です。
そこで伊那市は2年をかけて「山(森林)が富と雇用を支える50年後の伊那市」をめざしてレポートをまとめました。国立森林総合研究所、林野庁、国土交通省、長野県、信州大学、民間企業、NPO法人など森林のエキスパートが集結してのビジョン作成です。森林のもつ多面的機能を永続的に維持し、市民参加の林業経営に継続させようとする50年の行動計画です。土木建築用材への展開や木質バイオマスへの導入によるエネルギーの地産地消への転換、水源涵養、土砂災害の防止などの大きな目標のほかに、獣害対策、環境教育、自然保護、レクリエーションなど多岐にわたる取り組みが盛り込まれています。
森林資源の循環を50年かけて創出する壮大な計画が「伊那市50年の森林(もり)ビジョン」なのです。実施に向けては10代、20代の若者の参加が欠かせません。50年後、伊那市の健全な森林の姿を描き、産業としての林業経営の実現に向けて一緒に汗を流す仲間を全国から求めます。
平成28年5月 白鳥 孝
伊那市50年の森林(もり)ビジョン
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