たき火通信 其の六十七
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更新日:2016年2月1日
どんぐりの行進
敬太君は太鼓のとても好きな子どもでした。
伊那養護学校のまわりはどんぐり林です。葉の落ちた冬のどんぐり林は、青空に透けてとても明るくなります。春の林は銀みどりの柔らかな芽吹き、夏には強い日差しを遮(さえぎ)って気持ちのいい風を運んできます。そして秋にはどんぐりをいっぱいつけて、こどもたちが遊ぶ明るい声が聞こえてきます。
伊那養護学校には太鼓クラブがありました。寄宿舎に通う50人ほどでつくる「舎子太鼓(しゃっこだいこ)」です。子どもたちの大好きな太鼓の演奏は、いつもどんぐり林に聞こえていました。演奏する曲は、ライジングドラゴンやよさこいそーらんなどで、学園祭のどんぐり祭りやクリスマス会で元気に演奏されていました。
ところが敬太君は14才のとき、不慮の事故で突然亡くなってしまいました。お父さんもお母さんも、友だちも先生たちも、みんなみんな深い悲しみに包まれてしまいました。翌年、ご両親は敬太君の大好きだった太鼓を学校に贈ってくれました。そして先生の発案で、シンセサイザー奏者の天山(てんざん)さんに「どんぐりの行進」という曲を作ってもらいました。それに翌年の春、今度は映像演出家の千崎達也(せんざきたつや)さんに歌詞をつけてもらいCDにしたのです。敬太君のことをいつも思い出せるように、明るく元気な曲ができあがりました。
♪ーきみが みてた あおいそら ぼくらの ゆめの あるところー♪
♪ーゆめの ちから ぼくらが いちばんー♪ ・・・・・・
♪♪♪ きみがくれた パワーだよ ゆめみるちから ばんのうさ
このせかいを あかるく げんきにするよー♪♪♪
今では「どんぐりの行進」は、伊那養護学校のテーマソングのようになっています。そして、いつかNHKの「みんなのうた」に流れるのが私のゆめです。
平成28年2月 白鳥 孝
「どんぐりの行進」CD
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