たき火通信 其の二十六
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更新日:2014年10月1日
伊那谷によく似合う木です
明十橋(めいじゅうばし)のケヤキ
小沢川にかかる、明十橋の橋脚に生きているケヤキに気づいたのは15年ほど前です。水も得られず、土もなく、養分もない橋脚と橋桁のすきまに芽をだして、よくも生きていられるものだと、ケヤキの強い生命力と不遇さに心を寄せていました。ケヤキは2本ありました。そのうちの1本はまもなく枯れ、残る1本も何度か枝を落としたり、日照りの夏に葉を枯らしながらもなんとか生きていました。明十橋を車で通るたびに、まだ大丈夫、元気に健気に懸命に生きているのだと、ケヤキへの思いはますます大きく強くなっていきました。その明十橋が架け替えのために取り壊わされることになりました。平成13年のことです。切られて捨てられてはいけないと思い、伊那市役所に行くと、橋は長野県伊那建設事務所の管轄だといわれ、さっそくケヤキをもらい受けるための払下げ申請をしました。担当者と建設業者の計らいで無事に橋から離れ、明十橋の橋脚に生えてしまったケヤキは、我が家の小さな畑の土に根を張ることになりました。しばらくは養生して、元気になったら、いずれは生まれた小沢川の川辺のどこかに移してあげようと思いながら10年が経ってしまいました。ケヤキは幹回りが70センチメートル、高さが5m、そろそろ周囲の家に迷惑がかかりそうな大きさです。年々大きくなっていくケヤキに喜びながらも、これ以上になると移植できなくなる不安と思いは複雑です。そろそろ明十橋のケヤキの移転先を探さなければと家族ともども思案中なのです。
平成24年8月 白鳥 孝
明十橋に生えていた当時のケヤキ
移植した直後のケヤキ
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