たき火通信 其の五十二
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更新日:2014年11月1日
伊那市の歌
「これほど格調高く穏やかな歌詞と、美しいメロディーをもつ市歌を私は知らない」と、ある著名人から聞いたことがあります。凛(りん)とした夜明けが静かに明けるかのように、ゆっくりと叙情的(じょじょうてき)な前奏が流れ、そして「明けゆく山よ みどりに映えて 白き駒が嶺の 空にすがしく」と伊那市の歌は始ります。
伊那市の歌は昭和34(1959)年に作られました。作詞は長野県を代表する歌人で伊那市在住の宮脇至(みやわきいたる)さん、作曲は日本を代表する音楽家の高木東六(たかぎとうろく)さんです。高木さんは管弦楽曲・歌謡曲・オペラ・全国の校歌などおよそ3000曲を作ったといわれています。昭和20(1945)年から7年間伊那市に家族で疎開しており、大ヒットの「水色のワルツ」は伊那の天竜川を散策しているときにメロディーが浮かんで作られたといいます。
かつて宮脇至さんのご長男の歌人宮脇瑞穂(みずほ)氏から、伊那市の歌の生まれたときの秘話を聞いたことがあります。「伊那市の歌の発表会は、旧上伊那郡市民会館で盛大に行われたけれど、そのとき父は歌の発表前に会場から帰ってきてしまった。きっと自分の歌を聞くのが照れくさかったのだろう」そして高木東六さんのご長男の高木律朗(りつろう)氏からもこんな話を聞きました。「父の作曲した3000以上の曲のなかで父は、もし代表的な曲を5つ選ぶとすれば、伊那市の歌はそのなかに入る名曲のひとつだ」といような内容でした。
今年も10月25日(土曜日)、長野県伊那文化会館の「第28回伊澤修二記念音楽祭」で、東京藝術大学シンフォニーオーケストラの学生75人が「伊那市の歌」を演奏してくれました。参加者の歌声がホールに響き渡る感動の瞬間でした。
「光まばゆく 気は澄み渡り 遠き祖先達(みおやたち) つねに尊し」そして最終章には、私の好きなフレーズ、「ああ 伊那市こそ平和に生きる ああ高らかに謳(うた)え ふるさと」
平成26年11月 白鳥 孝
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