たき火通信 其の百二十九
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更新日:2021年4月19日
50年越しの道路・環状南線
新しい道路は景観に配慮しています
伊那市役所の前を通る市道環状南線・通称ナイスロードは、天竜川の西側で止まっていました。城南町の急峻な段丘崖が道路の延伸を阻止しているからでした。この環状南線は昭和43年(1968年)に「都市計画決定」されていましたが、城南町の崖は高く難工事のために50年もの間手がつけられずにいたのです。
伊那市内の幹線道路は、環状南線が天竜川西でストップ。伊那インターから降りてくる環状北線も国道153号でストップ。箕輪町・南箕輪村から延びてきた「伊那バイパス」も福島地籍でストップ。伊那市の道路事情は明るい未来が描けないままにありました。しかし地域の製造業・観光業・農業・救急医療・福祉など全ての分野に道路は欠かせないことから、平成21年(2009年)に環状南線建設を伊那市の事業として決定しました。
当初は飯田線に橋脚をかけ上段の城南町まで上がる工法を考えました。平成21年当時、この工法で試算すると 凡そ60億円程かかり、飯田線と平面交差する工法だと36億円程でできることがわかりました。JR東海旅客鉄道(株)の理解を頂き平面交差と決め、その先線は城南町南にある段丘崖を斜めに切り進む計画としました。地元区の皆様への説明会が始まり、地権者との交渉は家の移転や、先祖伝来の土地を譲ってもらうなどの時間を経て、本格着工となったのが平成28年(2016年)のことです。真夏の炎天下での作業、吹雪のなかで朝から暗くなるまで懸命に働く現場の皆さんには、本当に頭が下がる思いでした。
ところで、36億円の工事費は 如何に伊那市の持ち出しを小さくするかが思案の 為所でした。配分は国から交付される「社会資本整備総合交付金」が約18億円、伊那市・高遠町・長谷村の合併時に認められた「合併特例債」が約17億円、残りの約9,000万円が伊那市の一般財源から出されるというシナリオが組み立てられました。
景観に配慮しながら伊那市の東西を 一気通貫する市道・環状南線。次は伊那バイパスの 槌音が、それに続いて環状北線と伊駒アルプスロード工事が始まります。
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