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たき火通信 其の百三十二

ページID:234740077

更新日:2021年7月20日

令和の学校登山


コイワカガミとチングルマ(白)

小学校4年生の時に手にした小学館の「植物図鑑」をきっかけに、近所の野原や田んぼの土手に咲く植物を採取し始めました。ひと通りの植物を覚えると、次は珍しい植物を探しに、経ヶ岳や権兵衛峠などへ植物採取用の「ドウラン」を持って出かけるようになりました。中学生の頃です。そのうちに西駒ケ岳には「高山植物」があって、雪解けとともに次々と咲く話を聞くにつけ、いつかは登って見てみたいと憧れていました。その願いが叶ったのは、中学2年生の時の「学校登山」でした。
「学校登山」は長く続く信州教育のシンボル的な取り組みです。約120年前の明治35年(1902年)長野高等女学校の河野こうの齢蔵れいぞう等が始めたと言われています。学校登山は高校や中学校に広がり、やがて長野県内のほとんどの中学校では、学校行事として定着してきました。気象、地質、植物、動物を研究する先生や登山を趣味とする先生も多く、引率者には事欠かない時代でした。
ところが近年、学校登山が危機にひんしてきています。原因は生徒たちの体力不足や先生方に登山の経験者が少なく、学校行事が増えすぎてきたことに加えて、生徒が山小屋のトイレ(昔ながらのポットン型)を使えなかったり、漆黒の闇が怖かったり、あるいは過度の衛生意識から自然のなかで過ごすことができない子どもたちが増えてきたのです。重い荷物を背負って、時には雨や強風のなかを歩き、汗をかきながら急登をあえぐ登山は避けたいのかもしれません。
そこで学校登山を安全に継続するために従来の内容を見直そうと考えています。例えば多くの人が登山を嫌いになったドシャ降り雨の登山を 1.天気が安定した秋などに変更する 2.ガイドの数を必要数増やす 3.看護師や消防署職員が同行する 4.体力や希望に合わせた選択型の登山に変えるなど、時代に合わせたスタイルを考える時期にあると思うのです。
高山植物に憧れた少年は、標高が100m上がると気温は0.6度C下がること、夏でも残雪があってサクラが咲き、満天の星に手が届きそうな夜があることを経験しました。雲海・ハイマツ・氷河地形など興味津々の異界いかいがあることを現在の子どもたちにも経験してほしいと願っています。

お問い合わせ

伊那市役所 総務部 秘書広報課 広報広聴係

電話:0265-78-4111(内線2131 2132)

ファクス:0265-74-1250

メールアドレス:his@inacity.jp

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