たき火通信 其の四十五
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更新日:2014年10月1日
伊那市で一番高い山「塩見岳」3,047m(地蔵尾根より)
50周年記念には何を
南アルプスは、1964年(昭和39年)に国立公園に指定されてから、今年が50年の節目となります。静岡・山梨・長野の関係する10市町村では、さまざまな記念イベントを企画しています。伊那市では5月24日の「記念式典」を担当します。担当者は立派な式典にしなければと準備を進めていますが、私は単に記念式典にだけに力を置くことのないように伝えています。つまり、今回の南アルプス記念事業では、これからの50年を捉え、自然保護・環境学習・安全登山・ニホンジカ被害など、この山域で長く抱えてきた広範な課題解決に向けてのスタートを切らなければならないと考えているからです。
具体的な取り組みをお話しましょう。 1、登山者の使うストックの先端が尖(とが)っていれば登山道や高山植物を傷めます。そこで「ストックにはゴム製のプロテクターの義務付け」 2、登山バスの走る林道沿線を中心に、ビロードモウズイカ・ヒメジオン・ヨモギなどの帰化植物が見られます。そこで「ボランティアを募っての除去作業」 3、高山植物を食べ尽くすニホンジカの被害も深刻です。「この惨状と復活への取り組みを知ってもらう企画」 4、「携帯トイレの普及」や「ごみ拾い」などの検討です。 5、登山道も、誰がどの場所を担当し、どうやって資金調達をして整備するのかも曖昧です。もちろん自然保護の思想普及も安全登山も大切なテーマです。
南アルプス国立公園指定50周年は、「前例踏襲」的な空疎なイベントに終わるのではなく、今年からの取り組みが将来にわたって、あまねく実効性のある「伊那市発の国立公園モデル」となることを期待しています。
平成26年3月 白鳥 孝
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